横紋筋溶解症の治療アプローチ
横紋筋溶解症とは
横紋筋溶解症は、筋肉の損傷に続いて骨格筋細胞が壊死し、血液中にカリウム、ミオグロビン、クレアチンキナーゼ、リン酸などが放出される状態です。特に脚や腕の筋肉が影響を受け、血中カリウムが上昇すると心臓に危険を及ぼし、ミオグロビンは腎臓に負担をかけます。
主な症状
暗色尿、血尿、吐き気、筋肉の打撲感、嘔吐、イライラや混乱、呼吸困難、頻脈などが見られた場合は、速やかに医療機関を受診し、静脈内治療が必要です。
治療のステップ
1. 静脈内水分補給
まずは大量の点滴により体内に水分を補い、腎臓でのミオグロビン排泄を促します。症状が出たらできるだけ早く病院での点滴が推奨されます。
2. カリウム・ミオグロビン除去のための薬剤併用
点滴だけでは不十分な場合、ナトリウム炭酸水素塩(重炭酸ナトリウム)や利尿剤を加えます。重炭酸ナトリウムは尿の酸性を緩和し、腎臓へのミオグロビンのダメージを軽減します。利尿剤は尿量を増やし、ミオグロビンの排泄を助けます。
3. 血液輸血
点滴と薬剤で改善が見られない場合、血液輸血が検討されます。全血輸血または部分輸血により、ミオグロビンやカリウムを含まない新しい血液を供給し、体の回復を促します。
4. 透析
腎機能が低下し、血中の有害物質が除去できなくなった場合は透析が行われます。透析装置が腎臓の役割を代行し、血液を浄化します。早期に受診できなかったケースで主に適用されます。
5. 手術(筋膜切開術)
上記のいずれの治療でも効果が得られない場合、最終手段として筋膜切開術(ファシオトミー)が実施されます。筋肉が血管や神経を圧迫している場合に、圧迫を解除するために一部組織を切開します。
