顎骨の疾患
顎骨の疾患は、歯のケア不足や生活習慣、全身の病状が原因で起こり、激しい痛みや歯の喪失といった重篤な合併症を引き起こすことがあります。多くは予防や生活習慣の改善、歯科用装置の使用、薬物療法、外科手術で管理できます。
歯根性膿瘍(歯の膿瘍)
歯の膿瘍は、虫歯や口腔外傷、ひび割れた詰め物から細菌が侵入し、放置すると根部を通って上顎または下顎の骨に広がります。顎骨が感染すると血流に乗り、脳膿瘍や敗血症、肺炎など命に関わる合併症を引き起こすことがあります。
顎骨壊死(無血管性壊死)
顎骨への血流が途絶えることで骨と周囲組織が死滅し、進行性の疼痛や可動域の制限が生じます。ステロイド薬の使用や過度の飲酒がリスク因子ですが、誰にでも起こり得ます。治療は鎮痛薬、電気刺激、外科的処置などが行われます。
歯ぎしり(ブラキシズム)
睡眠中に顎の筋肉が無意識に収縮し、歯をすり合わせる状態です。顎の音やクリック、頬や舌の内側に歯痕、持続的な顔面痛が見られます。歯科医は後歯の摩耗やひび割れ・欠損の程度で診断します。
顎骨骨髄炎
外傷などで細菌や真菌が血流に乗り込み、顎骨に感染すると骨髄炎を起こします。顎の疼痛、腫脹、紅斑、発熱、嘔吐などが主な症状です。薬物乱用、透析、糖尿病、脾臓摘出歴がある人はリスクが高くなります。
顎関節症(TMJ)
顎関節と下顎骨をつなぐ関節に問題が生じる状態です。顎や顔面の痛み、耳鳴り、頭痛、食事・会話・口の開閉困難などが現れます。女性、関節炎既往、顔面外傷や頭蓋変形、線維筋痛症、慢性的なストレスなどがリスク要因です。
