急性壊死性歯周炎(トレンチマウス)の概要と対策
急性壊死性歯周炎(英: Acute Necrotizing Periodontal Disease、別名「トレンチマウス」)は、歯肉や歯槽骨、歯根膜が急速に壊死し、歯の喪失につながる重篤な歯周疾患です。栄養不良、HIV感染、免疫機能低下などのリスク因子を持つ人に多く見られます。
原因と影響
この疾患は、口腔内の歯肉組織に感染した細菌が増殖することで発症します。第一次世界大戦中に多数の兵士が罹患したことから「トレンチマウス」と呼ばれました。感染が進行すると強い口臭が発生し、歯肉が退縮し歯が揺れ始め、食べかすや歯石がたまり膿瘍を形成します。
歯肉炎(ジンジバリス)との関係
急性壊死性歯周炎は、まず歯肉炎として始まります。プラークや歯石がたまり、歯と歯の間のポケットが炎症を起こすのが原因です。適切なブラッシングとフロッシングで予防・治療が可能ですが、放置すると感染が拡大し歯周病へと進行します。
主な症状
- 歯肉の激しい痛みと出血
- 口臭、口内の灰白色の壊死組織
- 発熱、倦怠感、頸部リンパ節の腫脹
- 食事時や嚥下時の痛み、歯の動揺
喫煙、ウイルス感染、栄養不良、長期のストレスはリスクを高めます。
治療法
口臭や壊死組織の観察で比較的早期に診断できます。症状の重症度に応じて、壊死した組織の除去(スケーリング・デブリーディング)や専門的な歯石除去が行われます。抗生物質(テトラサイクリン、アモキシシリン、エリスロマイシンなど)が処方され、感染を抑制します。また、毎日のやさしいブラッシングとフロスに加え、過酸化水素でのうがいが推奨されます。
予防と日常ケア
定期的な歯科受診と、正しいブラッシング・フロッシング、バランスの取れた食事、禁煙が予防の鍵です。
