糖尿病患者の栄養ニーズと食事指針
摂取カロリーの目安
体格や生活活動度に応じて、1日の総エネルギーは次のように調整します。
- 小柄で活動的な女性、または中程度の体格で座りがちな女性:1,200〜1,600kcal
- 体格が大きい女性、または中小・中大型で比較的活動が少ない男性:1,600〜2,000kcal
- 中~大型の男性や大柄で活発に活動する女性:2,000〜2,400kcal
何を食べるべきか
アメリカ糖尿病協会(ADA)と米国栄養士会が提案する「糖尿病食ピラミッド」は、食品を6つのグループに分類し、摂取比率を示しています。
- 炭水化物(主食):ピラミッドの土台に位置し、最も多く摂取します。特に、食物繊維やミネラルが豊富な緑豆やインゲンなどのデンプン系緑野菜を取り入れると血糖コントロールに有利です。
- 野菜・果物:非デンプン系の野菜と果物は次の層に配置。ビタミン・ミネラルが豊富で、できるだけ生または蒸し料理で摂取します。
- 乳製品:低脂肪または無脂肪の牛乳・ヨーグルト・チーズを選び、タンパク質とカルシウムを確保しつつカロリー過多を防ぎます。
- 肉・魚・鶏肉:脂肪分の少ない赤身肉や皮なし鶏肉、魚介類を中心に、タンパク質と必須ミネラルを摂取します。
- 脂質・油・アルコール・甘味料:ピラミッドの最上部に位置し、摂取は最小限に抑えます。多価不飽和脂肪酸(例:オリーブオイル、ナッツ、亜麻仁、くるみ)を適量取り入れ、飽和脂肪酸は全エネルギーの10%未満に制限します。
1日の目安は、炭水化物6〜11食分、野菜3〜5食分、果物2〜4食分、乳製品2〜3食分、肉・魚・鶏肉4〜6オンス(約113〜170g)です。
米国農務省(USDA)の『My Pyramid』は、全粒穀物を中心に、緑・オレンジ色野菜、乾燥豆類、低脂肪または無脂肪乳製品、赤身肉・鶏肉・魚を推奨しています。
栄養素の配分目安
- タンパク質:総エネルギーの20%程度
- 脂質:総エネルギーの30%(飽和脂肪酸は10%未満)
- 炭水化物:総エネルギーの50〜60%
- 食物繊維(特に水溶性繊維)を十分に摂取し、血糖上昇を緩やかにします。
食事のタイミング
1日3食の大食事より、5回程度の小分け食を心がけます。炭水化物は1回の食事で過剰に摂らず、1日の総量を均等に配分することで血糖の急上昇を防ぎます。
体重管理と健康リスク
過体重はインスリン抵抗性を悪化させるため、適正体重の維持が重要です。成人の目安はBMI 19〜24.9。BMIが30以上になると肥満とみなされ、コレステロール上昇や高血圧を通じて心血管疾患のリスクが高まります。体重を適正範囲に保つことで、インスリンの働きが改善され、血糖コントロールが容易になります。
