P-57分子とは? その特徴と議論
P-57は南部アフリカ原産のホーディア・ゴードニー(Hoodia Gordonii)から抽出された活性化合物で、満腹感を脳に錯覚させることで食欲を抑えるとされています。英国の製薬会社がライセンスを保有し、臨床試験では「P-57を服用した肥満者は1日あたり約1,000kcalの摂取量減少を示し、副作用は報告されなかった」とされています。
歴史
米ファイザーは英国のPhytopharm社からP-57の販売権を取得し、合成版の開発を目指しました。しかし、合成コストが高すぎることが判明し、契約は解除されました。その後、権利はユニリーバに譲渡されました。
入手可能性
Phytopharm社が原料供給を管理しているため、純正のP-57を入手するのは難しいです。P-57を含むホーディアはカラハリ砂漠でしか育たず、他の地域で栽培した場合は有効成分が含まれません。
流通状況
Phytopharmと提携していない企業からホーディア製品を購入できることがありますが、ダイエットピルの表示に「P-57」と記載すると訴訟リスクが生じます。そのため、消費者は製品にP-57が含まれているか判別しにくく、偽造品が市場に出回る原因にもなっています。
偽造品への注意
メキシコ、中国、米国で販売されている「100%本物のホーディア」表示の製品は、カラハリ産の有効なP-57を含んでいない可能性が高いです。また、「Whole Hoodia Gordonii Plant」だけでは外皮の下にあるP-57分子は得られません。
論争
2008年5月のInter Press Service報道によれば、P-57の分離は南アフリカ科学産業研究評議会(CSIR)の業績とされますが、先住民は古くからホーディアの食欲抑制効果を利用していました。このため、P-57の特許取得は「バイオパイラシー」と呼ばれる議論を呼び、先住民の自然資源を保護すべきだという声が上がっています。
