ビタミンD過剰摂取と中毒の概要

ビタミンD(カルシフェロール)は脂溶性ビタミンで、主に動物性脂肪に含まれます。皮膚が紫外線を浴びることで体内で合成されるため、食事だけで摂取する必要はありませんが、脂溶性であるため体内に蓄積され、過剰摂取すると中毒を起こすことがあります。

特徴

ビタミンDは骨の修復・成長に必須ですが、体内に貯蔵されるため、過剰に摂取すると毒性が現れます。成人男性の推奨摂取量(RDA)は1日あたり400 IUで、その大部分は皮膚で合成されます。RDAの3~4倍以上の摂取はビタミンD中毒のリスクを高めます。

影響

ビタミンDの過剰摂取は血中のカルシウムとリンを増加させ、腎臓や軟組織にカルシウム沈着を引き起こします。主な症状は以下の通りです。

  • 神経過敏、過度の渇き・頻尿
  • 混乱、心拍リズム異常、頭痛、嘔吐、吐き気
  • 倦怠感、関節痛、食欲不振
  • 重症の場合、腎不全や腎結石の形成

診断

ビタミンD中毒は臨床症状と血液検査で判断します。血中ビタミンD代謝物の上昇、血圧上昇、血清カルシウム濃度の増加が主な指標です。腎機能が損なわれている場合は尿中タンパク質の増加も見られます。

留意点

通常の食事からビタミンDが過剰になることは稀で、主にサプリメントや大量ビタミン剤の摂取が原因です。中毒症状は高用量摂取後数か月で現れることがあり、致死的な過剰摂取は極めてまれです。重症例は誤飲や事故的中毒が主因です。

予防・治療

まずはビタミンDの摂取を中止し、カルシウムの摂取を制限します。重症の場合はステロイドやビスフォスフォネートなどの薬剤、十分な水分補給が行われます。腎障害が認められる場合は腎臓の治療も併せて実施します。

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