子どもの痙攣と酵素の関係

酵素が原因となる痙攣

子どもの痙攣は、体内の特定の酵素が不足する代謝異常が原因、あるいは発作の引き金になることがあります。これらの代謝異常は遺伝性であることが多いです。

GABAトランスアミナーゼ欠損症

GABAトランスアミナーゼは、脳内のγ-アミノ酪酸(GABA)をスクシン酸セミアルデヒドに変換する酵素です。この変換に関わる稀少疾患として、スクシン酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損症(SSADH)があります。SSADH患者の約半数が痙攣を起こし、これはGABAトランスアミナーゼ欠損によりスクシン酸セミアルデヒドが別の酵素でγ-ヒドロキシ酪酸(GHB)に変換されることが原因と考えられています。GHBの蓄積が神経症状、特に痙攣を引き起こすとされています。

ペルオキシソーム酵素欠損症

ペルオキシソームに含まれる酵素の欠損は、D-二機能性タンパク質欠損症という疾患を引き起こします。ペルオキシソームはカタラーゼなどの酵素を含み、活性酸素やアルコールなど有害物質を除去します。D-二機能性タンパク質欠損症は特に幼児期に痙攣を伴うことが特徴です。

酵素療法

痙攣の原因として特定の酵素欠損が判明した場合、酵素補充療法が検討されます。通常は酵素を含む点滴を静脈投与し、欠損した酵素を体内に補います。ただし、酵素補充療法は根本的な原因ではなく症状を緩和する目的であり、完全な治癒を保証するものではありません。

注意点

抗てんかん薬(AED)は痙攣コントロールに最も効果的であり、酵素補充療法はAEDの代替として使用すべきではありません。AEDは副作用があるものの、痙攣が制御できないと生命に危険が及ぶことがあります。場合によってはAEDと酵素補充療法を併用することがありますが、両者の相互作用に注意が必要です。医師は酵素療法と特定のAEDとの相互作用の可能性を十分に検討すべきです。

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