小児科医とは何か
概要
小児科医は、乳児・児童・思春期の患者を対象に診療を行う医師です。語源はギリシャ語の pais(子ども)と iatros(医師)に由来し、文字通り「子どもの治療者」を意味します。成人医療と同様に、一般診療だけでなく心臓病や腫瘍などの専門領域にも特化できます。
特徴
小児科医は成人医学と同様のサブスペシャリティが存在しますが、対象が子どもである点が唯一の違いです。たとえば、小児心臓専門医は先天性心疾患を、小児腫瘍専門医は白血病や肉腫といった子どもに多い癌を扱います。
歴史
小児医学の体系は9世紀のペルシャ医師ラゼスによる『子どもの疾病』に始まります。彼の師匠アリ・イブン・サールは『Firdous Al-Himakh』で子どもの発達について記述しました。1530年にはトマス・フェアが西欧初の小児医学書を出版し、1852年にイングランドで設立された『Hospital for Sick Children』は英語圏最古の小児病院です。米国ではドイツ系医師エイブラハム・ジャコビが小児科の父と称されています。
教育・資格
小児科医になるまでの一般的な道のりは、学部でのプレメディカル課程(4年)+医学部(4年)+小児インターンシップ(1年)+小児レジデンシー(2年)です。専門分野を目指す場合はさらに数年の研修が必要です。英国やその他英連邦諸国では、医学部課程が4〜6年で、学部卒業後に2年間の一般臨床研修と6年以上の小児専門研修が続きます。
地域差
米国と英国では小児科医の役割や研修体系に違いがあります。米国では小児科医が一次診療の主担当となり、緊急診療や専門医への紹介も行います。英国ではまず一般医学の学位取得後、2年間の一般臨床研修を経て、6年以上にわたる小児専門研修へと進みます。
