バイオフィルム内の細菌が持つ利点と課題
バイオフィルムは、表面に付着して成長する細菌の集合体で、細菌が分泌した粘性物質で覆われています。米国国立衛生研究所(NIH)によると、バイオフィルムは微生物感染の65%以上の原因となっています。
バイオフィルムがもたらす問題点
産業現場では、バイオフィルムが配管を詰まらせたり腐食させたりします。また、食品の汚染源にもなります。さらに、動脈硬化、慢性副鼻腔炎、耳感染症、尿路感染症、歯周病などの疾患とも関連しています。
耐性の増加
バイオフィルムを形成することで、細菌は人体の免疫や抗菌剤、抗生物質に対して高い耐性を獲得します。実際、同種の単独細菌に比べて数倍の耐性を示すことがあります。また、熱や低温といった環境ストレスにも耐えることができます。
不利な環境への適応
環境が細菌にとって不利になると、バイオフィルムは休眠状態に入ります。例えば、栄養が乏しいときに休眠し、少数の活性化した細胞が外部環境を探ります。栄養が供給されると、全体が再び活性化します。
栄養的メリット
バイオフィルム内では細菌同士が近接しているため、栄養素の交換が容易です。また、構造上水分が保持されやすく、脱水のリスクが低減します。成熟したバイオフィルムでは細胞分裂が少ないためエネルギーが節約され、そのエネルギーはエキソ多糖などの生成に利用され、バイオフィルム全体の栄養源となります。
