血液中の分析項目と日内変動

医療従事者は血液や体液中の分析物(アナライト)を測定し、過剰や欠乏を評価して診断・治療に活かします。多くの分析物は一日の時間帯によって濃度が変化し、これを「日内変動」と呼びます。

コルチゾール

副腎で産生されるホルモンで、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の分泌に応じて濃度が変動します。通常は朝方に最も高く、夜間の睡眠中に低下します。睡眠サイクルが逆転していると日内変動も逆転します。日内変動が見られない場合はクッシング症候群、逆に低下しすぎるとアジソン病が疑われます。

TSH(甲状腺刺激ホルモン)

甲状腺機能の評価に用いられ、1日を通して濃度が変化します。朝に高く、午後に低く、深夜にピークを迎えます。TSHが高いと甲状腺機能低下症や下垂体障害、低いと甲状腺機能亢進症が示唆されます。

リン酸(リン)

腎臓や消化器系の障害で吸収・排泄が乱れると測定されます。特に腎不全患者で管理が重要です。血中リンは午前8〜10時が最低、午前2〜4時が最高です。

カルシウム

腎臓、骨、副甲状腺、心臓、神経系の疾患評価に使われ、リンと同時に測定されます。腎疾患ではカルシウムが低くリンが高くなることがあります。副甲状腺異常では逆のパターンが見られます。血中カルシウムは午後8時頃が最高、深夜2〜4時が最低です。

副甲状腺ホルモン(PTH)

副甲状腺の機能を評価し、血中カルシウムを調整します。睡眠中に上昇し、深夜2〜4時にピークを迎え、カルシウム濃度とは逆の動きを示します。

アルブミン

低値は肝臓や腎臓の疾患、重度の感染や炎症を示し、高値は脱水を示唆します。日内変動はカルシウムと同様で、午後8時が最高、深夜2〜4時が最低です。

低値は貧血、高値はヘモクロマトーシス(遺伝性鉄過剰症)を示します。血中鉄は夕方が最低、午前から正午にかけて最高です。

好酸球

白血球の一種で、感染防御に関与します。睡眠中に分泌されるコルチゾールの影響で、朝が最低です。1日のサイクルで最大40%程度変動します。

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