60歳女性の極端なドライアイの原因は?

ホルモン変化

眼科医のジャネット・カッシング博士によると、乾性眼症で診察を受ける患者の多くは閉経後の女性です。乾性眼症が女性に多いことから、ホルモンが関与していると考えられました。当初はエストロゲンの減少が原因とされましたが、近年は男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌低下が関係していることが分かっています。アンドロゲンは男女共通のホルモンで、女性では卵巣で産生されます。卵巣の機能が低下するとアンドロゲン濃度が下がり、涙の分泌が減少します。

加齢

加齢に伴い、涙の分泌量は約40%減少します。さらに、涙の構成成分も変化します。涙膜は脂質層・水層・粘液層の3層からなりますが、最外層の脂質層は蒸発を防ぐ役割があります。年齢が上がると脂質層を分泌する腺の機能が低下し、蒸発が進みやすくなります。40歳以上の多くの人が乾性眼症のリスクを抱えています。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は、自己免疫疾患の一つで、体の免疫システムが涙や唾液を分泌する腺を攻撃します。その結果、目や口の乾燥、皮膚や関節の障害、爪がもろくなるなどの症状が現れます。疲労感や虫歯のリスク増大も特徴です。米国では約400万人の女性が罹患しており、40歳以上の女性に最も誤診されやすい疾患とされています。他にも稀な免疫系疾患が乾性眼症を引き起こすことがあります。

薬剤

加齢とともに常用薬の数が増えることがありますが、いくつかの薬は乾性眼症の副作用として知られています。ACE阻害薬、利尿薬、抗ヒスタミン薬、鼻詰まり薬、睡眠薬、一部の抗うつ薬、オピオイド系鎮痛薬などが涙の分泌を低下させます。薬と乾性眼症の関係に気付いていない人も多いので、使用中の薬リストを眼科医に提示し、原因薬の特定を依頼しましょう。

その他の要因

強い日差し、風、乾燥した気候、暖房などの環境要因は涙の蒸発を促進します。また、読書・執筆・パソコン作業・運転などで瞬き回数が減少すると乾性眼症が悪化します。屈折矯正手術後に乾燥感を訴える人も少なくありません。原因はさまざまであっても、重度の乾性眼症は感染や炎症、角膜の擦り傷・瘢痕化を防ぐために早期の治療が必要です。

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