更年期における出血とその対処法
閉経が始まると、膣からの出血はすべて異常とみなされます。月経を司るエストロゲンは、閉経開始の2〜8年前から減少し始めます。この過渡期(更年期前)ではまだ月経が続き、出血は正常とされる唯一の更年期段階です。
膣からの出血
通常の膣出血は子宮内にたまった血液が原因です。閉経期になるとエストロゲンが減少し、膣が短くなり、壁が薄く、乾燥します。閉経期の膣出血は多くの場合、膣萎縮と呼ばれる状態が原因です。膣の粘膜が薄くなると血管が弱くなり、自然に破裂して出血します。出血量はさまざまで、性交後に出血を感じる女性もいます。
子宮からの出血
閉経期の子宮出血の一因は子宮ポリープです。子宮ポリープは子宮内にできる球状の増殖物で、原因ははっきりしませんが、エストロゲンの異常が関与していると考えられています。サイズはごま粒大からゴルフボール大までさまざまです。
原因不明の出血
機能性子宮出血(DUB)は、外傷なしに起こる原因不明の膣出血です。米国国立衛生研究所によると、40歳以上の女性の40%が経験するとされています。ホルモンバランスの乱れ、特にエストロゲンとプロゲステロンの不均衡が関与していると考えられます。更年期そのものが直接の原因ではなく、精神的ストレス、過度の運動、肥満などが影響します。出血に加えて、気分の変動、ホットフラッシュ、膣の圧痛などが見られます。
ホルモン補充療法(HRT)による出血
閉経期の多くの出血はホルモン補充療法(HRT)で改善できます。合成エストロゲンを補うことで低下したホルモンレベルを調整し、症状が緩和されます。しかし、HRT自体が出血を引き起こすこともあります。閉経で薄くなった子宮内膜がエストロゲンの刺激で厚くなると、通常の月経のように一度に剥がれず、点状の出血が続くことがあります。
注意点
更年期のどの段階でも出血は不安を招きますが、ほとんどは良性です。稀に子宮・卵巣・子宮頸部のがんなど、重大な疾患のサインであることもあります。医師は血液検査(ホルモン測定)、膣・子宮の生検、超音波検査などを行い、原因を特定します。
