プロゲステロンが子宮内膜に及ぼす効果
プロゲステロンの役割
女性の体内でプロゲステロンが不足すると、過剰な出血や不規則な月経が起こります。排卵が起きない状態(無排卵)では、エストロゲンは分泌されてもプロゲステロンが産生されないため、ホルモンバランスが崩れます。プロゲステロンはエストロゲンの働きを抑え、子宮内膜(子宮の粘膜)を保護する“ガード”の役割を果たします。エストロゲンが過剰になると体に有害になることがあります。
プロゲステロンの主な働き
- 卵子の成熟を促し、細胞増殖を抑制する。
- エストロゲンが子宮内膜を増殖させた後に働き、過剰な増殖を抑えて子宮内膜癌のリスクを低減する。
妊娠時のプロゲステロン
妊娠が成立すると、胎盤から分泌されるプロゲステロンが増加します。この増加により子宮内膜が剥がれにくくなり、受精卵が安定して着床できます。また、子宮の過敏性が高い場合(早産の危険がある場合)には、高用量のプロゲステロンが子宮収縮を抑制し、早産を防ぐ効果があります。
膣の乾燥
エストロゲンは膣の潤滑を促しますが、プロゲステロンはその効果を相殺します。そのため、プロゲステロンが優位になると膣の乾燥感が生じやすくなります。
子宮内膜過形成(エンドメトリアル・ハイパープラシア)
プロゲステロンが不足すると、子宮内膜の細胞が過剰に増殖し、内膜が厚くなる「子宮内膜過形成」を引き起こすことがあります。主な症状は長くて大量の月経出血や、閉経後の出血です。過形成は「単純型」と「異型型」に分かれ、後者は細胞が異常変化しているため、子宮がんへのリスクが高まります。定期的に(最低でも年4回)子宮内膜を剥がす月経が必要で、これががん予防につながります。
プロゲステロン投与のポイント
体内に自然に存在するプロゲステロンは不正出血を防ぎます。医師が一度に大量投与(ボーラス投与)した場合、血中濃度が上がった後に徐々に低下し始めます。この濃度低下が子宮内膜の剥離(月経)を引き起こす仕組みです。
経口避妊薬・ホルモン補充療法(HRT)における投与量
経口避妊薬やホルモン補充療法でプロゲステロンを常時投与すると、エストロゲンが少量でも子宮内膜の剥離が抑制されます。しかし、プロゲステロンの用量が不足しているうえ、エストロゲンが含まれていない場合は「萎縮性出血(アトロフィーブレッド)」と呼ばれる不正出血が起こります。
