注意欠陥障害(ADD)と閉経期の影響

米国メイヨークリニックの推計によると、成人女性の約400万~500万人が注意欠陥障害(ADD)を抱えています。ADDを抱える女性は、診断に伴う精神的・身体的症状に加えて、閉経期のホルモン変化により症状がさらに悪化しやすくなります。本稿では、閉経期におけるADDの特徴と対策を紹介します。

症状

  • 集中力や記憶力の低下、睡眠障害、身体協調性の低下、過敏症、自己肯定感の低下、疲労感、依存症傾向などが挙げられます。特に閉経期の女性は、記憶力低下や過敏症、疲労感を強く訴えることが多いです。長年ADDの症状に苦しんできた女性がホルモンの急激な変化を経験すると、症状は顕著に悪化する傾向があります。

薬物療法

  • ADDと閉経期の症状は重なる部分があるため、治療薬も一部共通します。うつ病治療薬のブプロピオン(ウェルブトリン)はADDの治療にも用いられます。リタリンはADDの主薬ですが、閉経期のうつ症状を緩和するケースも報告されています。ホルモン補充療法(HRT)は閉経症状の緩和だけでなく、ADDの一部症状を閉経前レベルに戻す効果が期待されます。必要に応じて抗不安薬を併用し、両方の症状を総合的にコントロールします。

生活習慣の改善

  • 更年期の女性は子育てや介護、フルタイムの仕事で忙しく、運動不足や栄養バランスの偏りが起こりがちです。ADDは睡眠リズムを乱し、閉経期のホットフラッシュも同様です。対策としては、十分な睡眠時間の確保、定期的な有酸素運動、精製炭水化物を控えたバランスの良い食事が有効です。クロスワードや大学院への再挑戦など脳を刺激する活動、瞑想やヨガも不安感の軽減に役立ちます。

代替療法

  • 栄養補給とハーブサプリメントを組み合わせた代替医療も注目されています。アミノ酸、ビタミンE、オメガ3脂肪酸の摂取は脳機能の維持に寄与し、イチョウ葉エキスやセントジョーンズワートは認知機能やうつ症状の改善が期待されます。野生ヤム由来のプロゲステロンクリームなど植物性ホルモンも、ホルモンバランス調整に用いられますが、必ず専門医の指導のもとで使用してください。

サポート

  • ADDを抱える成人向けのサポートグループは多数存在し、女性限定のものもあります。ADDConsults(https://www.addconsults.com/digichat/)はオンラインチャットを提供し、Power‑Surge(https://www.power-surge.com/)は閉経期女性向けのフォーラムを運営しています。米国国立衛生研究所の調査では、実際の対面サポートグループが閉経期女性の心理的適応に最も効果的とされています。ADDは成人女性に広く見られるため、一般的な閉経サポートグループでもADDを抱える参加者がいることが多いです。

女性の健康 - 関連記事