シェウマナー病(胸椎後弯症)による痛みの緩和
病態の理解
シェウマナー病(胸椎後弯症)は、上部背部の椎骨が過度に前屈し、背中が丸くなる状態です。主に12〜15歳の思春期に発症し、女子に多く見られます。疼痛は患者の約50%でみられ、背部の曲がりが最も強い部分に痛みが集中します。長時間の座位や立位、身体活動で痛みが増悪することがあります。
非外科的治療法
装具療法
骨格が成熟する前に診断された場合、背部装具(ブレース)で異常な曲がりを矯正し、疼痛を軽減します。装具装着期間は年齢・曲がりの程度・進行速度により異なり、1〜2年が目安です。治療開始初年度は24時間装着が必要なことが多く、装具の身体的・社会的不快感に配慮が必要です。装具は16歳以降、骨格が成熟すると効果が薄れます。
理学療法・薬物療法
装具治療が難しい場合は、背部とハムストリングスを強化・伸展するエクササイズ中心の理学療法が行われます。必要に応じて鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を併用します。理学療法は装具と併用して実施されることもあります。
手術療法
背部の曲がりが重度であったり、神経症状が出現した場合、または他の治療で疼痛が改善しない場合に手術が検討されます。主な手術は、変形した椎間板を除去し、骨移植によって椎体を固定・融合するものです。手術中はワイヤーやロッド、スクリューで一時的に固定し、骨融合が完了するまで背部を支えます。胸椎は自然な可動域が少ないため、術後の動作制限は比較的軽度です。
成人患者の治療
小児期に診断・治療が遅れた成人でも、NSAIDによる疼痛管理や手術による症状緩和が可能です。詳しい治療方針は担当医と相談してください。
