移民が医療に与える影響

米国における移民人口の増加に伴い、医療システムへの影響が注目されています。本稿では、移民がもたらす公衆衛生リスク、医療利用率、政策的障壁、保険の実態について整理し、現状と課題を明らかにします。

公衆衛生リスク

主に不法移民が対象となります。入国時の健康診断が行われず、また逮捕や送還を恐れて医療機関を受診しないケースが多いです。その結果、感染症を抱えたまま生活し、医療システムに負担をかけるだけでなく、一般市民への感染リスクも高まります。

医療利用率

2005年にアリゾナ大学が実施した調査では、移民全体の医療利用率は出生国民に比べて低いことが明らかになりました。合法的にメディケアやメディケイドを利用できる移民でも、65歳未満の層では医療費が出生国民の30〜75%程度にとどまっています。

政策的障壁

移民が医療サービスを受けにくい背景には、制度の複雑さや言語・文化の壁があります。移民・医療に関する法律は頻繁に改正され、情報が分かりにくい上に、言語や市民権の有無が医療へのアクセスに大きく影響します。2003年のカイザー・ファウンデーションの調査でも、言語と市民権の状態が子どもの医療受給に大きな差をもたらすことが示されました。

保険の状況

不法移民は保険加入ができず、緊急時は救急部門に直行せざるを得ません。合法的な移民は政府プログラムや民間保険に加入できるものの、出生国民と同等の給付は受けられません。その結果、未保険者が増えることで、予防可能な疾病の拡大防止が難しくなり、医療費全体に負担が生じます。

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