患者輸送時の安全なケア方法

前向き臨床研究により、患者を病院内で搬送する際に事故やインシデントが発生しやすいことが明らかになっています。診断検査や治療レベルの変更、部門間の移動など、搬送はさまざまな場面で必要です。しかし、患者識別の不備、コミュニケーション不足、姿勢の不適切、機器の故障、搬送スタッフの訓練不足などが原因で、搬送中の安全が損なわれることがあります。安全な搬送を実現するために、明確なポリシーと手順を整備し、スタッフへの教育を徹底しましょう。また、緊急時のシステム起動手順をスタッフと共有し、インシデントは必ず記録して再発防止策を講じることが重要です。

非重症患者の搬送手順

  1. 搬送担当者(未認可スタッフ)に心肺蘇生法(CPR)の訓練を実施し、搬送中に起こり得る緊急事態に対する病院の方針と手順を教えます。能力が確認できるまで指導・監督し、定期的にコンピテンシーテストを行って技能維持を評価します。

  2. 搬送前に患者の識別情報を二重チェックし、看護師と搬送理由を確認します。必要な書類(診療オーダーや搬送指示書)を必ず持参します。

  3. 患者を搬送用車椅子またはベッドに安全かつ快適に固定し、体温維持のためにブランケットで覆います。

  4. 搬送中に必要な機器(点滴ポンプ、酸素供給装置など)は事前に電源を切り、バッテリー残量や酸素タンクの残量を確認し、十分に充電・充填されていることを確かめます。

  5. 搬送中は患者と会話しながら状態をモニタリングし、目的地に到着したら受け入れ側の医療スタッフに直接引き継ぎ、書類や情報を丁寧に渡します。

重症患者の搬送手順

  1. 搬送先のスタッフと事前に連絡を取り、患者が到着時に必要とする機器やサポート体制を確認・手配します。

  2. 心電図モニタリングや人工呼吸が必要な重症患者は、搬送スタッフに加えて、資格を有する医療従事者(看護師や医師)を1〜2名同行させ、バイタルサインの監視と生命維持措置を継続できるようにします。

  3. 未認可の搬送スタッフにも、非重症患者向けに示したコミュニケーションと安全手順を徹底させ、搬送全体の安全性を確保します。

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