MRIとフェライト材料の安全ガイド
MRI検査を受ける前に、看護師や技師から財布や鍵など金属製の持ち物を安全な場所に預けるよう指示されます。MRI装置は市販されている中で最も強力な磁石を使用しており、数メートル離れた鉄を含む金属さえも強力に引き寄せます。この磁力は装置や周辺機器を損傷させるだけでなく、患者やスタッフに重大な怪我を負わせる危険があります。
MRIの仕組み
MRI(磁気共鳴画像)は、軟部組織や内部臓器の高解像度画像を取得できる高度な診断装置です。強力な磁場の中でラジオ波を患者の体に照射し、受信コイルが返ってくる信号をコンピュータが解析して詳細な画像を生成します。
磁石の特性
すべての磁石は見えない力の場を作り、鉄系金属や他の磁石を引き寄せます。永久磁石の磁力は素材に依存し、電磁石は使用する材料と電流量で決まります。MRIに搭載されている電磁石は極低温(約452°F/約233°C)で動作し、1.5〜3テスラという非常に強い磁場を発生させます。比較のために、地球の磁場は約0.00005テスラです。
安全対策
MRIの磁場は一般的な磁石の何千倍もの強さがあるため、金属製品は遠くからでも引き寄せられます。そのため、MRIは専用の部屋で運用され、患者が身につけている衣服だけでなく、体内に埋め込まれた手術用スクリューやペースメーカーなどの金属製医療機器もチェックされます。部屋への入口には金属探知機が設置され、見落としがないよう徹底します。スタッフや付近の人々も同様に金属製の工具や酸素ボンベ、研磨機などが磁石に引き寄せられないよう確認が必要です。
事故例とケガ
磁場に引き寄せられた金属片が高速で飛来し、患者やスタッフに重傷や死亡事故をもたらすケースがあります。鉄製の物体が四肢を挟む・圧迫する危険があり、体内に埋め込まれたデバイスが外れたり、磁場で薬剤パッチが加熱されてやけどを負うことも報告されています。
装置への損傷
金属が磁石に引き寄せられることで、MRI本体や内部部品が衝撃を受けて破損することがあります。数フィート離れた重い金属でも磁場の力で引き込まれ、装置の精密機構に深刻なダメージを与えます。
停止と再起動の手順
MRIは磁石を極低温に冷却し、電流を精密に制御して磁場を形成するため、起動には数時間を要します。磁石に金属が取り込まれた場合、まず装置を安全に停止させる必要がありますが、完全に磁場を消すには数時間かかります。金属が除去された後、再度冷却と電流供給の工程を経て、通常の診断モードに戻すことになります。
