メディケア近代化法(MMA)とは何か?

メディケアは米国の公的医療保険制度で、主に高齢者に手頃な医療給付を提供することを目的としています。2003年12月、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「メディケア処方薬改善・近代化法(Medicare Prescription Drug Improvement and Modernization Act、通称メディケア近代化法(MMA))」に署名しました。この法律はメディケア創設38年の歴史の中で最大規模の改革であり、制度全体の近代化を目指す多くの施策が盛り込まれました。

メディケア受給者オンブズマン事務局

MMAの条項の一つとして、メディケア受給者オンブズマン(Medicare Beneficiary Ombudsman)の公式ポジションが新設されました。オンブズマンは受給資格のある人々が自らの権利を理解し、適切な情報を得て医療プランを選択できるよう支援します。この取り組みの一環として、Medicare.gov のウェブサイトが整備され、加入申請、質問、各種プラン情報の閲覧、苦情や不正・詐欺の通報が可能となっています。

パートDの創設

2003年のMMAでは、処方薬保険を提供する「パートD(Part D)」が新たに設けられました。パートDは任意加入で、パートA(入院保険)またはパートB(医療保険)の受給資格があるすべての人が利用できます。なお、パートDは連邦政府が直接販売するのではなく、民間の保険会社を通じて提供されます。単体プランとして、あるいはパートA・B と組み合わせた民間のメディケア・アドバンテージ(Medicare Advantage)プランの一部として加入できます。

遅延加入ペナルティ

パートD の初回加入期間は 2005年11月15日から 2006年5月15日まで設定されました。その後は毎年 11月15日から 12月31日までの「オープンエンロールメント期間」が設けられ、受給者はこの期間にプランの選択や変更が可能です。加入は義務ではありませんが、初回の機会を逃し後から加入する場合は「遅延加入ペナルティ」が課されます。ただし、退職金プラン等で Medicare 外部の信用できる処方薬カバーを継続していた場合や、他のプランが突然終了した場合はペナルティが免除されます。

ドーナツホール(ギャップ)

パートD には自己負担額(デダクティブル)や費用分担が設定されており、2006年時点では年額 $250 のデダクティブル、受給者負担率 25% が基本でした。年間の初期カバレッジ上限は $2,250(薬局での小売価格ベース)で、上限に達すると一時的に保険給付が停止し、いわゆる「ドーナツホール」状態になります。費用が「カタストロフィック」領域(年間 $5,850 以上)に達すると、再び給付が開始されます。

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