HRAとHSAを併用する方法とポイント
企業は従業員に様々な健康福利厚生を提供できます。その中でも、ヘルスリインバースメントアレンジメント(HRA)とヘルスセービングスアカウント(HSA)は人気の選択肢です。概念は似ていますが、制度には重要な違いがあります。両方を併用する場合は、それぞれの仕組み・制限・相互作用を正しく理解することが必要です。
HRA(ヘルスリインバースメントアレンジメント)とは
HRAは雇用主が税引き前の資金をプールし、従業員の対象医療費を払い戻す制度です。未使用残高は翌年へ繰り越すことができますが、退職時に持ち出すことはできません。HRAは必ずしも高額自己負担型保険(HDHP)とセットである必要はなく、任意の健康保険と併用できます。ただし、雇用主が拠出できる金額や払い戻し対象は雇用主が決定します。
HSA(ヘルスセービングスアカウント)とは
HSAは従業員が自ら拠出し、税金がかからない形で高額自己負担型保険(HDHP)と組み合わせて利用できる貯蓄口座です。拠出金は給与からの控除で非課税となり、雇用主もマッチングや追加拠出が可能です。HSAは個人所有で、退職後も持ち運び可能です。ただし、HSAはHDHPと併用しなければ開設できません。
主な制限事項
- HRAは雇用主のみが拠出でき、従業員は退職時に資金を受け取れません。拠出上限は法的に定められていませんが、払い戻し対象は雇用主が設定した保険プランに依存します。
- HSAは法令で上限が定められています。2023年の上限は個人で$2,900、家族で$5,800(日本円換算は概算)。また、HDHPの最低自己負担額や最高自己負担額の基準を満たす必要があります。
HRAとHSAの相互作用
主に次の2つの方法で併用できます。
- HSAを予備資金として利用する。HSAは年間拠出上限がある一方、HRAは上限がないため、HRAの残高で不足分を補填できます。
- HRAからHSAへの資金移行(ロールオーバー)を行う。IRSの定める手順に従い、適切に手続きをすれば、HRAの残金をHSAの拠出金として利用できます。
併用する際は、両口座で認められる医療費の定義を比較し、重複や相違を把握して効率的に支出することが重要です。
