抜毛症(トリコチロマニア)とは

症状

抜毛症の患者は、髪の毛を抜く衝動が抑えられず、抜く前に緊張感を感じ、抜いた後に安堵感や快感を得ます。頭皮、腕・脚、胸部、陰部、眉毛やまつげなど、体のさまざまな部位で抜け毛が進行し、時には髪の毛を口に含んだり噛んだりして快感を得ることもあります。多くは思春期に症状が始まります。

影響

抜毛症は外見の変化から社会的に孤立しやすく、恥ずかしさや自意識、全般的な不安感が伴います。さらに、毛根が永久的に損傷したり、繰り返しの動作による手根管症候群などの身体的合併症、皮膚の炎症や瘢痕、毛髪を飲み込むことによる消化器系の問題も報告されています。

原因

原因は明確に解明されていませんが、遺伝的要因や神経伝達物質の異常が関与していると考えられています。家族性が見られ、トゥレット症候群との関連も示唆されています。また、幼少期のトラウマや髪が不快・不適切と感じることが引き金になることがあります。併存症として、強迫性障害、摂食障害、うつ病などがあり、抜毛行為は不安や負の感情の発散手段となるケースもあります。

診断

DSM‑5(精神障害の診断と統計マニュアル)では、以下の5項目を満たす必要があります。

  • 繰り返しの抜毛により目に見える脱毛があること。
  • 抜毛前に緊張感があり、抜毛により緩和されること。
  • 抜毛が快感や安堵感をもたらすこと。
  • 脱毛が他の医学的状態で説明できないこと。
  • 抜毛が本人に苦痛や機能障害を引き起こすこと。

必要に応じて皮膚・毛髪の生検が行われます。

治療

主な治療法は認知行動療法(CBT)です。抜毛の引き金となる感情や状況を特定し、対処法を学びます。マインドフルネスやアクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)も、衝動を受容しながら行動を抑制する技術を提供します。抗うつ薬は単独よりも心理療法と併用した方が効果的です。

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