臨床心理学における不安とは

不安は、起こり得る出来事に対する恐れを伴う予期として理解できます。否定的なイメージが強いものの、適切な不安は先を見通し危険を回避する助けとなります。しかし、不安が過度に強く、頻繁に、あるいは実際の危険がない状況で現れると、日常生活に支障をきたすことがあります。このような場合は不安障害と診断され、専門的な支援が有効です。

特徴

  • 米国精神医学会によれば、不安障害は感情障害の中で最も一般的で、2500万人以上の米国人が罹患しています。強い不安感に加えて、胃部不快感、発汗、心拍数の増加や胸の圧迫感、筋肉の緊張、驚きやすさといった身体症状が現れることがあります。また、不安は思考にも影響し、執拗な考えや恐怖症、死への不安や「正気を失う」ことへの恐れ、痛みを伴う記憶や繰り返しの悪夢といった侵入的思考が生じることがあります。

誤解

  • 『Worry-Free Living』の著者らは、不安が最も誤解されやすいメンタルヘルス問題であり、さまざまな誤った認識が蔓延していると指摘しています。代表的な誤解として、不安は遺伝的である、加齢に伴う必然的な結果である、時間が経てば自然に消える、弱い性格の表れである、といったものがあります。これらの神話は不当なスティグマを助長し、適切な支援を求める人々の障壁となります。

タイプ

  • 不安に苦しむ人は、1つまたは複数の診断名が付くことがあります。代表的な不安障害には、激しい身体的・心理的症状が同時に現れるパニック障害、特定の対象に対する強い恐怖を伴う恐怖症、強迫性障害(OCD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、全般性不安障害(GAD)などがあります。

理論

  • 不安障害の理解と治療に大きく関わる心理学的理論として、行動療法と認知行動療法があります。両者は現在の問題に焦点を当てますが、アプローチは異なります。行動療法は体験を通じて適応的な行動を学ばせることを重視し、認知的アプローチは誤った信念を合理的なものに置き換えることを目指します。

対処法

  • 行動的アプローチの代表的な治療法には、リラクゼーション訓練、脱感作、恐怖対象への段階的曝露、眼球運動による脱感作と再処理(EMDR)、アサーション・トレーニングなどがあります。認知的アプローチとしては、合理情動行動療法(REBT)に基づく非合理的信念への挑戦と論争、思考記録による非合理的思考の把握と合理的代替案の発見、ロールプレイやイメージングが挙げられます。加えて、精神科医が薬物療法を併用し、症状緩和を図ることもあります。

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