軍隊における薬物乱用の深刻な影響
歴史的背景
ベトナム戦争以降、軍内の薬物乱用は議会の関心事となってきました。1985年、99回目の米国議会が本格的に問題を審議し、1971年にニクソン大統領が国内向けに薬物対策プログラムを開始したことが起点です。その後、1984年にレーガン大統領が「薬物乱用防止・密輸対策全国戦略」を策定し、軍における取組みが強化されました。
統計データ
1985年の議会公聴会でパウラ・ホーキンス上院議員が指摘した統計の不足は、以降改善されました。1980年代初頭の調査では、兵士の27%が大麻、9%がアンフェタミン、7%がコカインを使用しており、1984年だけで35,514名が薬物陽性と判定されました。
国防総省の調査によると、アルコール関連問題は1980年の17.3%から2002年には9.6%へ減少しました。同調査の表3.1では、違法薬物使用率は1980年の36.7%から2005年には10.9%に低下しています。
重要性
2005年の統計は改善を示す一方で、2009年1月に開催された米国国立薬物乱用研究所(NIDA)の会合では、再び薬物乱用が増加傾向にある可能性が議論されました。実例として、1980年代にU.S.S.ニミッツ航空母艦で発生した墜落事故(死者14名)は、飛行乗組員の薬物使用が原因とされ、軍内での薬物対策の継続的な重要性が示されています。
身体的影響
薬物乱用はエネルギー過剰、落ち着きのなさ、睡眠障害、運動・反応速度の低下、言語障害、錯乱、体重変動などを引き起こします。また、薬物の種類によっては慢性的な歯・副鼻腔・喉の疾患を招くこともあります。これらの症状を別の疾患と誤認し、医師が不適切な処方を行うと、危険な薬物混合状態になる恐れがあります。
職務遂行への影響
軍人は民間人と同等、あるいはそれ以上の能力が求められます。例えば、空軍パイロットは飛行中に判断力を失ってはならず、狙撃手は瞬時の反応が必要です。薬物の影響はこれらの重要任務を著しく阻害します。
他者への影響
武器や機材を操作する兵士が薬物の影響下にあると、多くの命が危険にさらされます。例えば、警備任務中に薬物の影響で眠りに落ちれば、自身と守るべき部隊の安全が脅かされます。戦闘中にタンク砲手が錯乱すれば、周囲の兵士全員が危険にさらされる可能性があります。
国家安全保障への影響
軍人が薬物依存になると、薬物入手や使用のために機密情報を漏らすリスクが高まります。また、薬物の作用で抑制が緩み、口が滑りやすくなることで、機密保持が困難になるケースも想定されます。
