心理学における学習モデル
学習理論
学習のプロセスは心理学の中心的関心事であり、主に行動主義と認知理論の二つの大枠に分かれます。行動主義は刺激と反応の条件付けに焦点を当て、認知理論は記憶や情報処理としての脳の働きを重視します。以下に、心理学で最も広く認識されている三つの学習モデルを紹介します。
古典的条件付け
古典的条件付けは19世紀後半にイワン・パヴロフが提唱した行動主義モデルです。無条件刺激(US)とそれに対する無条件反応(UR)に対し、条件刺激(CS)をUSと結び付けることで条件反応(CR)を引き起こします。パヴロフは犬の唾液分泌を例に、肉(US)に対して自然に唾液が出る(UR)ことを観察し、肉を提示する前に鈴の音(CS)を鳴らすと、鈴だけで唾液が分泌(CR)するようになりました。
オペラント条件付け
オペラント条件付けも行動主義に属しますが、行動と結果の関係に注目します。行動を強化する結果は「強化子」、弱める結果は「罰」と呼ばれ、正の(何かを加える)と負の(何かを取り除く)に分かれます。主な四つの組み合わせは次の通りです。
- 正の強化:良い刺激を与えて行動が増える。
- 負の罰:良い刺激を取り除いて行動が減る。
- 正の罰:悪い刺激を与えて行動が減る。
- 負の強化:悪い刺激を取り除いて行動が増える。
B.F.スキナーはレバーを備えた箱に小動物を入れ、レバーを押すと食べ物が出ることを実験しました。食べ物という正の強化が行動(レバーを押す)を増加させた例です。
観察学習(社会的学習)
観察学習は認知理論に位置し、他者の行動を観察し模倣することで学習が起こります。観察者は魅力的、報酬が期待できる行動を特に模倣しやすくなります。この学習は四つのプロセスから成ります。
- 注意(Attention):環境を認識する。
- 保持(Retention):行動を記憶に保持する。
- 再現(Production):行動を実際に起こす能力。
- 動機付け(Motivation):行動を実行する理由。
アルバート・バンデューラの有名な「ボボ人形実験」では、暴力的な行動を見た子どもが同様にボボ人形を叩く行動を示しました。
その他のモデル
上記三つのモデルから派生した、または行動主義・認知理論に直接属する学習モデルも多数存在します。マルチメディア学習、文化習得(エンカルチュレーション)、暗記学習、正規教育などは認知理論に含まれ、エンカルチュレーションは観察学習と密接に関係します。行動主義の側面では、習慣形成や感作といったモデルがあります。
