犯罪心理プロファイルの作り方
はじめに
テレビドラマでは、手がかりを追い、証拠を集め、関係者にインタビューし、1時間(CMを含む)で犯人が特定され、逮捕される様子が描かれます。しかし、実際の犯罪心理プロファイルは犯人の名前を付けるだけではありません。米国の著名な法医学心理学者、リチャード・コクシス博士は、放火犯、強姦犯、連続殺人犯を見分ける単一の方法は存在しないと指摘しています。
プロファイル作成の手順
ステップ 1: 犯罪者のタイプを分類する
FBIが用いる「組織的」犯罪者と「非組織的」犯罪者の区別から始めます。組織的犯行は計画的で慎重に実行され、痕跡を残さないようにします。一方、非組織的犯行は衝動的で手際が悪く、手がかりが少ないほど計画性が高いと判断されます。現場検証でこれらを見極めます。
ステップ 2: 疑問を設定し容疑者を絞る
次のような質問で容疑者リストを絞ります。証拠は犯人の妄想や計画を示すか?曜日は犯行に影響したか?使用された武器や手段は犯人の特徴を示すか?犯行現場や遺体の発見場所は?容疑者はメディアや警察に接触していないか?これらはFBIのプロファイラが容疑者除外に用いる質問例です。
ステップ 3: 分析と推論で絞り込む
分析ツールと演繹的推論を駆使します。例えば、女性が他の女性を圧倒するケースは稀であり、性別で容疑者を大幅に削減できます。被害者に対する激しい傷は、犯行が個人的である可能性を示唆します。強制侵入がなければ、被害者は加害者を知っていたと考え、心理プロファイルに加えます。
ステップ 4: 生物学的証拠を活用する
警察から得られるDNAや血液型情報で容疑者を絞ります。O型は一般的ですが、RH陰性のO型は特定の集団を除外できます。咬痕、抵抗傷、注射痕などの生物学的手がかりは、歯が欠損している、フェティシズムがある、IV薬物使用の可能性など、人物像の裏付けとなります。
ステップ 5: 行動特性と背景を検証する
以下の項目で容疑者を評価します。社会的に引きこもっているか?家族関係に異常があるか?注目を求める行動、偏執症、健康不安があるか?動物虐待やいじめの歴があるか?批判やからかいに対して感情的に過剰反応するか?これらをバックグラウンドチェックと照らし合わせ、情報データベースに蓄積します。
ステップ 6: 動機とアリバイを照合し最終絞り込み
心理学・人類学・社会学の知見を活かし、犯行動機を推定します。ステップ1〜5で収集したデータと動機が一致し、アリバイがない人物に焦点を当てます。徹底的に分析すれば、最終的に一人の容疑者に絞り込み、検察側が有力な証拠として法廷での有罪判決に結び付けられます。
