認知と感情を高めるツール

認知とは、思考過程や自分の思考について考えるメタ認知を含み、記憶や注意力も含まれます。感情は様々な感覚状態を指し、本人が自分の感情を正確に把握できないことがしばしばあります。認知と感情は相互に影響し合い、認知機能が低下すると感情の調整が困難になることがあります。

認知トレーニング:注意力

  • 注意力は認知の基礎であり、選択的注意がなければ瞬間ごとに何に注意すべきか判断できません。Dean Delis と Edith Kaplan が開発した「Delis‑Kaplan Executive Functioning System」は注意力測定を含む神経心理学テストです。このシステムを参考に、視覚的注意・スキャン・シフトの練習として、複雑な迷路や点つなぎゲームを利用します。タイムトライアルで時間を短縮できれば、注意力が向上したと判断できます。

認知トレーニング:記憶力

  • 作業記憶は情報を一時的に保持し、処理するための重要な認知基盤です。作業記憶容量を拡大すると、全体的な認知力が強化されます。Delis‑Kaplanテストの一部を応用し、トランプを使った練習を行います。表向きにした4枚のカードを5秒間観察し、裏返して数字とスートを思い出します。徐々に枚数を増やし、上級者は逆順で覚えるように挑戦します。

感情トレーニング:感情の把握

  • 感情を正しく認識することは最も難しい課題の一つです。「感じていること」と「その感情の原因」を結びつけるには自己洞察が必要です。日記を書くことで、1日の出来事を振り返り感情を言語化できます。2006年にインディアナ州のBall State Universityが実施したメタ分析では、日記が感情表出、批判的思考、自己反省を高めることが示されました(『Journal of Athletic Training』掲載)。

感情トレーニング:思考と感情の結びつき

  • Aaron Beckが提唱した「思考日記」は、浮かんできた自動思考とそれに伴う感情を可視化します。特定の不快な感情や思考が生じたら、まず書き留め、事実や連想を整理します。「この考えは本当にどれほど可能性があるか?」「どんな外的要因が影響したか?」「感情が思考の解釈に影響しているか?」といった質問に答えることで、感情の調整が促進されます。

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