単極電極配置と双極電極配置の比較

ECTで治療可能な障害

ECTは、薬物療法や心理療法が効果を示さなかったうつ病に有効です。また、双極性障害、統合失調症、強迫性障害にも適応されますが、現在最も一般的なのは治療抵抗性うつ病です。「治療抵抗性」とは、従来の薬やカウンセリングで改善が見られない状態を指します。重度の自殺念慮や精神病症状を伴ううつ病では、第一選択治療としても用いられ、1回のECTで症状が改善することもあります。

単極電極配置

「単極」とは、電極を患者の右側のこめかみにだけ装着し、そこから電流を流す方法です。記憶障害のリスクは低く抑えられますが、うつ症状の改善効果はやや劣ります。効果を高めるために、単極では発作閾値の最大6倍まで電流を上げることがあります。

双極電極配置

「双極」配置は、左右両側のこめかみ(双側)または前頭部(前額)に電極を装着します。米国・英国では標準的な手法で、うつ症状の改善効果が高いとされていますが、記憶障害のリスクは単極より高くなります。双極は単極に比べて同等の効果を得るのに必要なエネルギーが約6分の1で済むため、電流強度を抑えても効果が期待できます。

発作の誘発

ECTは、最低15秒間続く発作を意図的に誘発します。現代のECTは全身麻酔と筋弛緩薬の下で行われ、患者は完全に意識を失っています。医師は「固定用量」か、身長・体重・年齢に応じて電流を調整する「個別用量」かを選択します。どちらの方法が用いられているかは、必ず医師に確認しましょう。

単極か双極かの選択

最終的には、患者自身が医師と相談し、単極と双極のメリット・デメリットを比較して最適な治療法を決めます。自殺念慮が強い重度のうつ病では、迅速な効果が期待できる双極が選ばれることがあります。その際、記憶障害のリスクを受容できるかどうかが重要な判断材料となります。

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