ストレスと対処の主要モデルとは?
1. ストレス・コーピングモデル(Lazarus & Folkman, 1984)
このモデルは、ストレッサーに直面した際に行われる認知的評価プロセスに焦点を当てます。評価は次の二段階です。
一次評価(Primary Appraisal):状況が自分の福祉にとって肯定的か否定的か、あるいは無関係かを判断します。
二次評価(Secondary Appraisal):そのストレッサーに対処できる資源や能力を評価します。
2. トランザクショナル・ストレス・コーピングモデル(Lazarus, 1999)
一次・二次評価の概念を拡張し、個人と環境の継続的な相互作用を強調します。個人の対処努力だけでなく、社会的支援など環境要因もストレスの影響を左右します。
3. 問題志向型・感情志向型対処(Folkman & Lazarus, 1988)
対処戦略を大きく二つに分類します。
問題志向型対処(Problem‑Focused Coping):ストレッサーそのものを直接変える、または解決策を探す行動です。
感情志向型対処(Emotion‑Focused Coping):ストレスに伴う感情を調整する手段で、リラクセーションや感情的支援の求めなどが含まれます。
4. 対処資源モデル(Hobfoll, 1989)
対処における資源の重要性を示します。資源は内部(自己肯定感、自己効力感)と外部(社会的支援、経済的支援)に分けられ、資源が不足すると対処効果が低下し、十分な資源は対処力を高めます。
5. 資源保存理論(Conservation of Resources Theory, COR; Hobfoll, 1989)
人は資源の獲得・維持・保護を目指すとし、ストレッサーは資源の喪失や枯渇をもたらします。効果的な対処は、失われた資源を回復させる、または新たな資源を築く戦略を取ることです。
これらのモデルは、ストレスと対処のプロセスを異なる視点から説明します。研究や実践の目的に合わせて適切なモデルを選択することが重要です。
