テロ脅威レベルの色分けと新システムの概要
米国国土安全保障省(DHS)は、テロ活動の潜在的脅威を当局や一般市民に知らせるために、ホームランド・セキュリティ・アドバイザリー・システム(HSAS)を導入していました。HSAS は「低」から「重大」までの5段階の色コードで脅威レベルを示し、各レベルに応じた具体的な予防策を市民や化学・原子力施設、公共交通機関などに推奨しています。2011年1月、DHS長官ジャネット・ナポリターノは、HSAS を新たな警戒システムに置き換えることを発表しました。
Green(緑) - 低
緑色警報はテロの脅威が最も低い状態を示します。DHS は政府機関に対し、職員とともにセキュリティ手順を見直し、重要施設の保護策を再評価するよう求めます。連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、家族が緊急時の対応計画を持っていない場合はこの期間を利用して作成し、既に計画がある場合は見直しと実践訓練を推奨しています。
Blue(青) - 警戒
青色警報はテロ攻撃の一般的なリスクがあるものの、差し迫った脅威は示唆されていない状態です。DHS は地方警察や政府機関に情報共有を継続するよう指示し、FEMA は公共の場で不審な行動に注意を喚起します。赤十字社は特に学校周辺での警戒を呼びかけ、緊急訓練の実施を推奨しています。
Yellow(黄) - 上昇
黄警報はテロ攻撃のリスクが顕著に高まったことを示します。DHS は対象地域や施設に対し、警備と監視を強化するよう指示します。赤十字社は、家庭や職場・学校への通勤経路の代替ルートを事前に確認し、緊急時に選択肢を持てるよう助言しています。
Orange(橙) - 高
橙色警報では、DHS がテロ細胞が狙う地域で連邦・地方警察と協力し、軍事基地や重要施設への立ち入りを必須要員に限定します。FEMA は旅行アドバイザリを注視し、危険度が高まった国や地域への渡航を控えるよう勧告します。交通安全局(TSA)は空港や港湾のセキュリティを強化し、赤十字社は学校に対し保護者や児童からの質問に対応し、安心感を提供するよう促します。
Red(赤) - 重大
赤色警報はテロ攻撃が差し迫っていることを示し、DHS が現場の法執行機関と緊急対応チームを統括します。必要に応じて対象施設や政府建物の閉鎖が行われます。FEMA はテレビやラジオでの情報収集を推奨し、避難指示が出た場合に速やかに従うよう呼びかけます。赤十字社は、特に高齢者や障がい者など避難が困難な人々への支援体制を整えるよう訴えています。
HSASへの批判と新システム
批判者は HSAS の警報が曖昧で実効性に欠けると指摘し、米国下院国土安全保障委員会のベニー・トンプソン委員は「不安を煽るだけで実際の備えには繋がっていない」と述べました。この課題を受けて DHS は国家テロ警戒システム(NTAS)を構築し、具体的かつ詳細な情報を対象地域の当局や市民に提供することを目指しました。NTAS は 2011年4月に HSAS を完全に置き換える予定です。
