ガスマスクのタイプと特徴
18世紀末にプロイセンの鉱夫用として考案された呼吸器が、1849年6月12日にルイジアナ州ルイビルでルイス・ハスレットによって特許取得されたことが、現代のガスマスクの起源です。その後数十年にわたり改良が重ねられ、特に第一次世界大戦で化学兵器が使用された際に重要な防護具となりました。現在に至るまで、ガスマスクは用途や防護レベルに応じて多様なタイプに進化しています。
半面マスク型空気浄化呼吸器
最も基本的なタイプは、鼻と口だけを覆う半面マスクです。フィルターを通して呼吸しますが、化学・生物学的エージェントは目から侵入しやすく、完全な防護は期待できません。
フルフェイス空気浄化呼吸器
半面マスクの上位機種で、顔全体と目もカバーします。透明なフェイスシールドとレンズで眼を保護しますが、フィット感が不十分だと漏れが生じ、効果が低下することがあります。
供給式呼吸器(Supplied‑Air Respirator)
フルフェイスマスクの漏れ問題を解決するため、正圧を保つ供給式システムが採用されています。外部から清浄空気を供給し、マスク内部は常に正圧になるため、汚染空気の侵入が防がれます。特に顔に合うマスクを選びにくい子どもに有効です。米国環境保護庁は、イソシアネートなど高毒性のスプレー塗料を扱う塗装作業者に対し、供給式呼吸器の使用を推奨しています。
自己完結型呼吸装置(SCBA)
最も高性能なシステムは自己完結型呼吸装置(Self‑Contained Breathing Apparatus)です。高圧タンクに蓄えた清浄空気を正圧でマスクに供給し、外部環境に左右されません。ただし、タンクは重くかさばり、最大でも約60分の使用時間しか確保できません。そのため、消防や軍事などの専門的な現場で主に使用されています。
