プラスチックパレットに潜む健康リスク:デカ(デカブロモジフェニルエーテル)問題

プラスチックパレットは食品、衣料、医薬品など多種多様な商品を輸送するために広く利用されています。米国では同時に約120万個のパレットが使用されており、主に木材とプラスチックの2種類が製造されています。プラスチックパレットに関しては、難燃剤として使用される化学物質「デカ(デカブロモジフェニルエーテル)」が健康リスクを引き起こす可能性が指摘されています。

デカ(デカブロモジフェニルエーテル)とは

デカはプラスチックパレットの燃焼リスクを低減するために添加される難燃剤です。米国食品医薬品局(FDA)は、食品と接触する環境でデカを使用する際に事前の承認を求めています。環境保護団体(Environmental Working Group)は、2009年6月に、デカ処理されたプラスチックパレットで輸送された果物や野菜から化学物質が食品に浸出する可能性があると警告しました。

法的規制と動向

メイン州とワシントン州は、家庭用品に対するデカ使用を禁止する法律を制定しましたが、プラスチックパレットは例外とされました。環境保護団体はFDAに対し、食品周辺でのデカ使用禁止を求めてロビー活動を行いました。2010年12月、米国環境保護庁(EPA)は、デカ製造業者が2023年末までに全米での使用を段階的に廃止することに合意したと発表しました。

懸念点

業界誌「Pallet Enterprise」によると、オレゴン州は2011年1月1日からデカを含む製品の持ち込みを禁止する法案を可決し、ワシントン、メイン、バーモントに続く4番目の州となりました。立法者は、デカが環境中に拡散し、人体の脂肪組織に蓄積されて有害な形に分解されることを示す研究結果を根拠にしています。プラスチックパレットメーカーはこの禁止に対し、例外措置を求めています。

影響と今後の展望

EPAと業界の自主的合意により、2023年末までにデカ処理されたプラスチックパレットはほぼ全米で使用が続く見込みです。その間、メイン州、ワシントン州、オレゴン州のようにデカ処理パレットが果物や野菜の輸送に使用される場合、食品への化学物質浸出リスクが残ります。今後は、代替難燃剤の開発や、デカフリーのパレットへの転換が求められるでしょう。

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