食中毒の主な原因となる微生物

食中毒の多くは、調理不良や加工不備で残った細菌が原因です。症状は軽い不快感から激しい嘔吐・下痢まで様々で、重症例を経験した人は二度と罹りたくないと考えるでしょう。以下に、食中毒の主な原因となる代表的な微生物を紹介します。

サルモネラ

サルモネラは桿菌(棒状の細菌)で、鶏肉や豚肉に多く見られます。子供や高齢者が特に罹りやすく、水や調理器具の表面でも生存します。そのため、飲食店では生肉を扱う器具を徹底的に洗浄します。主な感染経路は、加熱不足の鶏肉・豚肉、加熱されていない卵、生乳です。症状は嘔吐、下痢、発熱、頭痛などで、通常1〜2日で回復します。

カンピロバクター

カンピロバクターはらせん状の細菌で、特にカンピロバクター・ジュジュニがヒトに感染します。鳥類が保菌者となり、糞便に菌が残りますが、酸素や乾燥に弱く、加熱や冷凍で死滅します。主な感染源は加熱不足の鶏肉や非加熱の乳製品で、潜伏期間は数日です。症状は嘔吐、腹痛、痙攣、下痢、発熱で、数週間続くこともあります。免疫力が低下した人では血流に侵入し、生命に危険を及ぼすことがあります。

大腸菌(E. coli)

大腸菌は動物の腸内に常在する菌ですが、一部の毒性株は食中毒の原因となります。特にO157:H7株は、加熱不足の牛肉や、肥料として糞を使用した野菜・果物から感染します。高齢者や乳幼児は腸壁が損傷しやすく、溶血性尿毒症症候群や腎不全を起こすことがあります。死亡率は高齢者で約50%に達します。

ボツリヌス症(ボツリズム)

ボツリヌス菌は酸素が少ない環境で増殖し、主に不適切に缶詰されたトウモロコシ、インゲン、エンドウなどで発生します。凹みや膨らみのある缶は危険信号です。また、加熱後に不適切に保存された食品でも増殖します。乳幼児ははちみつに含まれる胞子から感染することがあります。主な症状は腹痛、痙攣、吐き気で、神経麻痺へ進行することもあります。

黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)

黄色ブドウ球菌は食べ物中で毒素を産生します。塩分や加熱に強く、特に温かい食品で増殖しやすいです。冷却しない限り死滅させることはできません。乳製品、クリーム、パイ、ツナサラダ、エッグサラダなどに多く見られますが、ジャガイモやサラダにも付着します。感染症状はにきび様の膿疱、腹痛、嘔吐、体温低下で、重症例は血流感染や肺炎を引き起こします。菌は健康な人の皮膚や鼻腔に常在しており、食品の取り扱いミスや、食事中のくしゃみ、常温での放置が感染拡大の原因です。

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