プエルトリコの医療課題
プエルトリコは米国の領土でありながら、近代医療の恩恵が十分に届いていない歴史があります。20世紀初頭は熱帯病や寄生虫が原因で死亡率が高く、平均寿命も低かったものの、医療の進歩により状況は改善されました。しかし、現在でもさまざまな医療課題が残っています。
AIDS(エイズ)
プエルトリコではエイズやHIV感染者が多く、CDCのデータによれば2008年までに累積診断件数が米国本土の州や領土の上位10位に入っています。成人で3万2000人以上、子どもで400人以上が診断されており、プエルトリコは影響を受けた領土の中で唯一上位にランクインしています。
栄養不良
20世紀中葉までは、未開発国に共通する衛生環境の悪さが健康問題の主因でした。多くの感染症は根絶されたものの、栄養不足は依然として深刻です。CDCの調査では、プエルトリコは果物・野菜の摂取量で全米最下位に位置しています。
糖尿病
プエルトリコの住民の約27%が高血圧を抱え、約13%が糖尿病と診断されています(American Diabetes Association)。2005年には、米国本土とプエルトリコ合わせて17万8000人以上が糖尿病が原因の末期腎疾患で透析や腎移植を必要としていました。
医療改革
オバマ前大統領は2008年の選挙で、プエルトリコの約400万人に対し平等な医療支援を約束しましたが、実際の議論では領土はしばしば除外されました。2010年に成立した医療保険法(ACA)では、プエルトリコも対象に含まれましたが、保険未加入者は35万人から50万人と推定されています。法案は保険料の負担軽減を目指す一方、保険に加入しない場合は罰則が科される仕組みです。
