ヒトに寄生する条虫(テープワーム)
多くの人は条虫に感染していても、自分の腸内に寄生虫がいることに気づきません。腸内の条虫感染は簡単に治療でき、重篤な健康被害をもたらすことは稀です。ただし、まれに幼虫が体内の他の臓器へ移動し、命に関わる感染症を引き起こすことがあります。
手洗いや生肉・加熱が不十分な肉の摂取を避けることで、ほとんどの条虫感染は予防できます。
主な寄生種
- 豚条虫(Taenia solium)
- 牛条虫(Taenia saginata)
- 小条虫(Hymenolepis nana)
- 魚条虫(Diphyllobothrium latum)
感染経路
人が条虫に感染する主な経路は、卵または幼虫を摂取することです。卵は汚染された食物や水、糞便から入り、幼虫は生または加熱が不十分な肉・魚の筋肉組織に含まれる嚢胞を介して感染します。
体内での過程
摂取された卵や幼虫は腸へ移動し、腸壁に付着して成虫となります。成虫は最大約15メートル(約50フィート)に達し、20年程度生存することがあります。種によっては糞とともに体外へ排出されます。
症状
多くの場合、感染しても自覚症状はありません。症状が出る場合は、吐き気、倦怠感、食欲不振、腹痛、下痢、体重減少などが見られます。幼虫が腸外へ移動し組織に嚢胞を形成した場合は、発熱、腫瘤、アレルギー反応、二次感染、さらには神経症状や痙攣が起こることがあります。
糞中に条虫の節片が見えることがあります。
診断
疑いがある場合は医師に受診し、便検査で卵や節片を顕微鏡で確認します。必要に応じて血液検査や画像診断を行い、組織侵入の有無を調べます。
治療
主に駆虫薬(プラジクアンテル、アルベンダゾール、ニクロサミドなど)で成虫を死滅させますが、卵は完全に除去できません。治療後は再感染防止のため衛生管理が重要です。治療後1〜3か月で再度便検査を行い、感染が消失したことを確認します。組織侵入が認められる場合は、炎症抑制のためステロイド投与や、重篤な嚢胞がある場合は外科手術が必要になることがあります。
予防
- 食事前・トイレ後に石鹸と流水で手をしっかり洗う。
- 肉は中心温度71℃(150°F)以上で十分に加熱する。
- 肉は最低12時間、魚は24時間以上冷凍して卵・幼虫を死滅させる。
- 生肉・生魚の摂取を避け、ペットの条虫感染も予防・駆除する。
