瘻が閉じない原因と部位別の特徴
瘻(ろう)とは、体内の二つの臓器や臓器と体表の間に永久的な通路が形成される状態を指します。主に消化管で見られますが、あらゆる年齢で発生し、出生直後にできることもあります。瘻は良性で症状が出ない場合もあれば、強い不快感を伴い外科的修復が必要になることもあります。自然に閉じにくい要因として、感染、組織の炎症、圧力の違いなどが挙げられます。
消化管の瘻
多くは肛門膿瘍が破裂し、腸管に通路ができることで始まります。炎症性腸疾患、癌、結核などが原因となることがあります。開いたままの状態では、周囲組織の感染や糞便の漏出が治癒を妨げ、強い不快感を引き起こします。外科的に閉鎖しなければ自然治癒は期待できません。
泌尿・生殖系の瘻
女性に多い膀胱・膣瘻は、出産時の長時間・難産が主な原因です。膀胱から尿が膣へ漏れ出すことで頻繁に感染し、炎症が持続して自然閉鎖が起こりません。外科手術で閉鎖し、疼痛や腫脹を抑える薬剤が併用されます。
循環系の瘻
動静脈瘻(AVF)は、動脈と静脈が直接つながる異常な通路です。外傷や出生時の血管損傷で生じ、血圧の変化や異常血流を引き起こします。血圧が高いままでは瘻が閉じにくく、組織への酸素供給不足が問題となります。血流を正常化するために外科的閉鎖が推奨されます。
