椎体形成術(ベリベロプラスティ)の合併症と対策
骨粗鬆症により脊椎の骨が弱くなると、圧迫骨折が起こり背中の痛みや姿勢の崩れを招きます。椎体形成術(ベリベロプラスティ)は、低侵襲で骨を「再膨張」させ、姿勢を回復し痛みを軽減する治療法です。手術自体は比較的安全ですが、稀に合併症が生じることがあります。
手術の概要
患者は腹臥位で仰向けに寝かせ、背中を露出させます。局所麻酔(必要に応じて全身麻酔)を行い、脊椎の側方に小さな切開を加えます。針を挿入して椎体の後方まで到達させ、超強度の骨セメントを注入します。セメントは約15分で硬化し、切開部は止血とともに縫合されます。
血栓性静脈炎(血栓症)
手術後の安静やリハビリ期間の運動制限により、下肢の血流が低下し血栓ができやすくなります。症状は足の腫れ、痛み、紅斑、熱感などです。予防策として、抗凝固薬の投与や弾性ストッキングの使用が推奨されます。
感染症
小さな切開でも細菌が侵入すれば感染が起こります。皮膚表層の感染は抗生物質で治療できますが、深部にまで広がると軟部組織や骨まで侵食し、外科的除去が必要になることがあります。発赤、腫脹、膿漏が見られたら速やかに医師に相談してください。
セメント漏出
注入したセメントが椎体の外へ流出することがあります。多くの場合は無症状ですが、脊髄や神経根に触れると神経障害を引き起こす恐れがあります。漏出が疑われた場合は、追加の手術で除去や対処が行われます。
疼痛持続・治癒不全
手術後に疼痛が軽減しないケースもあります。これは椎体の治癒が不十分だったり、セメントへの拒絶反応が原因と考えられます。日常生活に支障が出る場合は、疼痛管理専門医に相談し、適切な治療を受けましょう。
