PIN法による肩鎖関節(AC関節)修復手術
グレード分類
AC関節が分離した場合、その重症度はグレードで評価されます。
グレード1は靭帯が部分的に損傷した状態です。靭帯が完全に断裂するとグレード2となります。グレード3では関節が完全に分離し、腕の重みで肩が下がります。グレード4では鎖骨が肩甲骨上方へ移動します。グレード5はグレード3に加えて、腕の牽引により関節間の隙間が拡大した状態です。グレード6は関与する全ての骨が完全に断裂した状態で、最後の3つのグレードではピン固定が必要です。
手術の適応
多くのAC関節分離は保存的治療で済みますが、グレード4〜6は外科的介入が推奨されます。重度のグレード3でも靭帯損傷が大きい場合は手術が検討されます。手術では鎖骨と肩甲骨を元の位置に戻し、靭帯が自然に癒合できるように固定します。固定法としてはピン、スクリュー、吸収性・非吸収性デバイスなどが用いられます。
ピン固定法
骨が整復された後、ピンを用いて鎖骨と肩甲骨を直接結合し、関節の安定性を確保します。ピンは肩甲骨上部(肩峰)を通り、関節部を横切って鎖骨へと貫通させます。ピンにより関節は強化されますが、分離前と同等の荷重を即座に支えることはできません。
術後の経過とリハビリ
ピン固定後は少なくとも2週間、患側の腕をスリングで固定します。その後、4週間にわたって理学療法と可動域訓練を行い、治療期間中は引き続きスリングを装着します。
術後6週間目にピン除去手術を実施し、さらに6週間は重いものを持ち上げることを禁じます。
留意点
ピン固定後は肩に過度な負荷をかけないことが重要です。痛みや肩部の突出が認められた場合は、関節が再分離している可能性があるため、速やかに医師に相談してください。
