中絶の選択肢について
妊娠の中絶は夫婦にとって非常に個人的な決断です。妊娠初期であれば比較的短時間で完了し、身体的な負担も軽いことが多いですが、妊娠が進むにつれて適用できる手段やリスクが変化します。以下では、主な中絶方法を妊娠週数別に分かりやすく解説します。
薬剤による中絶(中絶薬)
妊娠約7〜9週までに利用できる方法です。まずミフェプリストン(またはメトレキサート)を投与し、胚と子宮の結合を弱めます。その後、ミソプロストールを服用または膣内投与し、子宮収縮を促して胚を排出させます。自宅で行えるため、外来受診が必要な手術に比べてプライバシーが保たれます。
手動吸引法(マニュアル・バキューム・アスピレーション)
月経開始から約7週目までに実施可能な手技です。細長いチューブを膣から子宮に挿入し、手動の吸引装置で胚を吸い出します。手術時間が短く、局所麻酔で済むため回復も比較的早いのが特徴です。
吸引掻爬術(サクション・キュアテージ)
最も一般的な外科的中絶手術です。子宮頸部を拡張し、吸引カニューレと掻爬器具を組み合わせて胚を除去します。胚が大きくなる妊娠中期(約8〜12週)に適用され、吸引だけでは完全に除去できない場合に掻爬が併用されます。
拡張・吸引法(D&E:Dilation and Evacuation)
妊娠13週以降に行われる手術で、子宮頸部を大きく拡張し、吸引と掻爬を組み合わせて胎児を除去します。胎児が大きくなるため、手術は高度な技術と十分な麻酔が必要です。
胎児全体除去術(Intact D&X)
妊娠後期(第2期~第3期)に行われる極めて稀な手術です。医師が胎児の頭部を医学的に圧壊し、体を通常の分娩と同様に取り出す方法です。24週以降にこの手術が必要となるケースは、母体の重篤な健康リスクがある場合に限られます。2003年に米国議会はこの手術を禁止しました。
