心血管・胸部手術の概要と適応

心血管外科

米国国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)によると、心血管外科(心臓外科)は心臓移植、バイパス手術、血管形成術、心臓弁や血管の修復手術などを含みます。弁や血管の手術は、狭窄、漏れ、細菌性心内膜炎などの感染症を治療します。機械式装置やステントの留置も心臓手術が必要です。従来は胸骨を縦に切開しますが、条件を満たす患者には胸骨の部分切開や小切開、内視鏡手術といった低侵襲法も選択できます。

胸部外科

一般的な胸部外科は肺や食道の疾患を対象とし、肺移植、がん切除、逆流性食道炎、腫瘍、ヘルニア、肺気腫などが含まれます。胸壁や縦隔(肺の間に位置し心臓を含む領域)も手術対象です。胸腔鏡などの小切開・低侵襲手術により、胸腔内の臓器・組織・骨の診断や治療が可能で、必要に応じてより高度な手術へと進めます。

心胸部外科医

胸部外科医会(Society of Thoracic Surgeons)は、心血管外科医、胸部外科医、先天性心疾患外科医を総称して心胸部外科医と呼びます。心胸部外科医になるには、医学部卒業後に一般外科のレジデンシーを修了し、さらに心胸部外科専門のレジデンシー(最大3年)を完了し、ボード認定を受けます。多くは心臓手術または胸部手術に従事しますが、先天性心疾患手術に特化する場合は追加の研修が必要です。

先天性心疾患手術

先天性心疾患手術は、乳児や小児の先天的な心臓異常を治療します。主な対象は心室・心房・大動脈間の欠損や、心房・心室・大動脈の形態異常です。また、心壁、弁、血管の欠損や機能不全の修復にも用いられます。

心血管・胸部外科への紹介

心胸部外科医の診療が必要な患者は、心臓専門医、消化器専門医、呼吸器専門医、またはかかりつけ医から紹介されることが一般的です。紹介医は外科的処置が限られるため、薬物療法だけでは解決できない心臓・肺・胸腔内臓器の問題がある場合に専門医へ送ります。胸部外科医会によれば、初診では既存のX線、CT、エコーなどの画像検査結果を確認し、今後の治療方針を検討します。

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