ペースメーカー植込み手術の合併症と対処法

心臓は正常に機能すれば自然なリズムで拍動し、体内の「ペースメーカー」として働きます。しかし、不整脈や心疾患により心拍が速すぎたり遅すぎたり、リズムが乱れたりすることがあります。そのような場合、人工ペースメーカーを体内に埋め込んで心拍を調整します。ペースメーカーはバッテリー駆動で、鎖骨の下の小さな切開から挿入されます。手術は約2時間で完了し、術後1週間ほどで縫合糸が取り除かれます。

過度の出血

ペースメーカーの埋め込みは心臓へアクセスするため、周囲の血管が損傷することがあります。血管が損傷すると出血が起こり、場合によっては漏れた血管を修復するために追加手術が必要になることがあります。

手術部位感染

切開を伴う手術全般に共通するリスクとして、手術部位感染があります。細菌が開いた創部に侵入すると、体内組織や皮膚が感染します。術後に抗生物質が投与されることが多いですが、赤み、腫れ、熱感などの症状が現れた場合は速やかに医師の診察を受ける必要があります。

機器の不具合

ペースメーカーは心拍を一定に保つよう設計されていますが、機器が故障すると心拍が過度に速くなったり遅くなったり、まったく働かなくなることがあります。このような場合は、既存のペースメーカーを取り外すか、調整するための再手術が必要になります。

心筋穿孔(心筋破裂)

ペースメーカーのリードが心筋に触れることで、心筋穿孔が起こることがあります。手術中に起きることもあれば、手術後にリードが原因で損傷が進行することもあります。症状が重い場合は、損傷部位の修復とリードの交換が必要です。

気胸

肺や胸壁が損傷されると、胸腔に空気が漏れ込み肺が萎縮する「気胸」になることがあります。ペースメーカー植込み後に起こることがあり、必要に応じて胸腔ドレーンを挿入し肺を再膨張させます。

まとめ

ペースメーカー植込み手術は多くの患者にとって有効な治療ですが、上記のような合併症が起こり得ます。術前にリスクを十分に理解し、術後は異常症状に注意して早期に医療機関を受診することが重要です。

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