顎手術の種類と概要
顎手術(正顎手術)は、主に顎や歯の骨格異常を修正する外科手術です。口唇裂、睡眠時無呼吸症候群、顎関節症、気道欠損、重度の噛み合わせ問題などが対象となり、睡眠・食事・会話などの日常生活に支障をきたす症状を改善し、顔貌も整えます。主な目的は正しい噛み合わせの実現、気道の拡大、審美的な向上です。
上顎手術(上顎骨切り術)
上顎手術は、下顎前突・上顎前突・開放咬合などの矯正に用いられます。手術では眼窩のすぐ下で切開し、上顎全体(上歯列と口蓋)を一塊として前方に移動させ、金属スクリューで固定します。開放咬合の場合は、上顎と下顎の間に隙間を生む余剰骨を削除します。
下顎手術(下顎骨切り術)
下顎手術は、下顎が後退(後退顎)または過大な場合に行われます。後部大臼歯のすぐ後ろから顎骨を縦に切断し、前部を前後に移動させ、スクリューで新しい位置に固定します。
顎先端手術(顎形成術・ジニオプラスティ)
顎先端手術は、顎先端が不足または後退している場合に行われます。顎先端骨を上下・前後に移動させ、短くしたり長くしたり、唇が自然に合うよう調整します。顎先端の異常はしばしば後退下顎と併存し、同時に矯正されることが多いです。
顎手術の準備
顎手術の準備は、口腔外科医、矯正歯科医、言語聴覚士が連携して行います。必要に応じて心理士が精神的適応を評価することもあります。デジタル画像やX線を用いて手術方法をシミュレーションし、患者に予測結果を提示します。
留意点
顎手術は成長が止まった成人に適応し、女性は約15歳、男性は17〜21歳が目安です。入院期間は1〜3日で、回復は主に術後2か月で進みます。術後3週間は仕事や学業を休むことが多く、腫れ、痛み、鼻づまり、会話困難などが見られます。
