最小侵襲背部手術の概要
用語
最小侵襲手術は、手術部位に小さなスコープ(内視鏡)を挿入して行う手法です。背部・脊椎に対する手術は「エピドロスコピー」と呼ばれ、硬膜外腔(脊髄を包む空間)を光ファイバー内視鏡で観察し、神経根の癒着や瘢痕を除去します。これにより、神経刺激による疼痛が軽減され、従来の手術より高い成功率が期待できます。
手術手技
従来の大切開に代わり、数箇所(通常は1インチ未満)の小切開または穿刺で手術を行います。小径の光源付きチューブ(内視鏡)を一つの切開から挿入し、モニターに映し出された映像で手術部位をリアルタイムに確認しながら作業します。別の切開からは細い手術器具を通し、コンピュータ支援で正確に神経を保護しながら瘢痕除去を行います。手術後は小切開を縫合し、外科テープで保護します。
対象となる疾患
最小侵襲背部手術は、以下のような多様な背部・頸部の問題に適用できます(すべての症例に適用できるわけではありません)。
・腰痛・頸部痛
・坐骨神経痛(坐骨神経痛)
・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
・側弯症、すべり症などの変形
・変性椎間板疾患
・脊椎骨折
・脊椎固定(脊椎融合)手術後の再手術
・感染症や腫瘍の除去
メリット
小さな切開により、術後の疼痛が軽減され、筋肉・神経・軟部組織への外傷が最小限に抑えられます。その結果、出血量が少なく、傷跡も小さく済みます。回復期間は従来の大手術で数ヶ月~1年かかるケースと比べ、数週間から数か月程度に短縮され、早期に仕事や日常生活へ復帰できます。さらに、一部の手術は日帰りで実施可能です。
費用
手術時間と入院日数が短縮されるため、総医療費は従来の開放手術に比べて低く抑えられます。術後の鎮痛薬使用量も減少し、リハビリや介護の必要性も軽減されるため、患者本人および社会的コストの両方が削減されます。
患者評価
脊椎外科専門医が問診・身体診察に加えて、既往歴や既存の画像検査(MRI、CT、ディスクグラフィー、骨シンチグラフィーなど)を確認します。必要に応じて追加検査を実施し、最小侵襲手術が適応可能かどうかを判断します。
外科医の選び方
最小侵襲背部手術を行うには、専用機器と手技に熟練した外科医が必要です。脊椎外科または神経外科のボード認定医で、最小侵襲手術の研修・認定を受けている医師を選びましょう。日本最小侵襲脊椎外科学会(Society for Minimally Invasive Spine Surgery)に所属し、継続的な教育を受けている専門医が信頼できます。
