自然療法で用いられる銅ブレスレットの働きとは
関節炎の患者の多くが、痛みやこわばりが和らぐと期待して銅ブレスレットや磁石付き銅ブレスレットを購入しています。代替医療用品店や大型チェーン店でも取り扱われており、実際に使用している人は「痛みが軽減した」「関節の腫れが減った」と主張しています。
銅不足とその影響
体は微量の銅を必要とし、銅は亜鉛や鉄の代わりになることがあります。血液中の酸素運搬を助け、免疫機能を高める役割も果たします。自然療法の実践者は、銅が病原体の耐性を超えて毒性を与え、免疫系を活性化すると述べています。銅・鉄・亜鉛が不足している人は、銅ブレスレットが微量の銅を継続的に供給し、バランスを整える可能性があります。
経皮吸収(トランスダーマル)
銅ブレスレットを装着すると、銅は皮膚から直接血流へ吸収されるとされています。これにより肝臓や消化管を経由せずに体内に取り込まれます。食事から摂取する銅(貝類、ナッツ、豆類、種子など)は胃腸で分解・変性し、効果が低下することがあります。
他の栄養素との関係
銅は鉛やカドミウムと同じ受容体に結合し、これら有害金属の吸収を抑制します。また、亜鉛や鉄と同じ受容体を共有するため、亜鉛や鉄が不足している場合に代替的に作用し、欠乏を補う可能性があります。
プラセボ効果の可能性
「Complementary Therapies in Medicine」誌に掲載された小規模な二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験では、銅ブレスレット、2種類の磁気ストラップ、非磁化ストラップのいずれも、変形性関節症患者の疼痛・こわばり・可動域に有意な効果が認められませんでした。参加者は2005年2月から6月の16週間にわたり、ランダムに装着しました。研究者は、得られる効果は心理的(プラセボ)であり、生理的なものではないと結論付けました。なお、16週間以上の長期使用に関する研究はまだ行われていません。
