バレリアンルートエキスの使用
近代医学は古代の処方から多くのヒントを得ています。その中でもバレリアン(西洋かぼす)という植物は、古代ギリシャに端を発し、長い歴史の中で薬用として利用されてきました。現在では、乾燥した根だけをカプセルにしたものや、他の栄養補助食品と組み合わせた製品、エキス、さらにはハーブティーとしても販売されています。バレリアン根は様々な薬効が報告されており、効果が確認されたものもあれば、まだ研究段階のものもあります。
睡眠補助
-
バレリアン根エキスの最も一般的な用途は、睡眠補助です。米国の研究者はその作用機序を完全には解明していませんが、ドイツの医薬品委員会(Commission E)は不眠症やその他の睡眠障害に対してバレリアン根の使用を承認しています。バレリアンは他の睡眠薬に比べて副作用が少なく、適量であれば安全に使用できる点が利点です。ただし、利尿作用があるため、摂取後に排尿回数が増えることがあります。
また、他の鎮静剤や睡眠薬と併用すると過度の鎮静状態になるリスクがあるため、併用は避けるよう医師は注意喚起しています。さらに、アルコールと一緒に摂取すると鎮静効果が増強されるため、飲酒中の使用は控えるべきです。
不安緩和
-
バレリアン根に含まれる活性成分は完全には特定されていませんが、鎮静作用が期待できるため、不安障害の治療に有望とされています。エキスは不安、うつ、ストレス、神経過敏状態の緩和に利用され、最近ではてんかんやヒステリー、妄想といった重度の神経症状への応用も試みられています。
その他の用途
-
古代ギリシャの医師はバレリアンを消化不良、膨満感、吐き気、胃痙攣、潰瘍などの消化器症状の治療に用いていました。米国の栄養補助食品局(Office of Dietary Supplements)によれば、16世紀の医師は神経過敏、頭痛、心拍数の乱れにもバレリアン根を処方していたとされています。近年では注意欠陥多動性障害(ADHD)への効果も研究されていますが、結論は出ていません。
