セントジョンズワート(ハイペリカム)のハーブレメディ
歴史
古代ギリシャ人はセントジョンズワートに魔力があると信じ、坐骨神経痛や虫刺されの治療に使用しました。ヒポクラテスは「神経の不安」を和らげると推奨。ヨーロッパでは怪我やうつ病の治療に広く用いられ、民間療法として不安障害にも使われてきました。近年、米国国立補完代替医療センター(NCCIH)はうつ病に対する効果をレビューし、プラセボより有意に効果があり、従来の抗うつ薬に比べ副作用が少ないと報告しています。
主な成分
セントジョンズワートにはカロテノイド、クロロフィル、フラボノイド、ルテインなどの植物化学物質が含まれ、ビタミンCも豊富です。カロテノイドは抗酸化作用、クロロフィルはマグネシウム源、フラボノイドは抗酸化作用、ルテインは黄斑変性の予防に寄与するとされています。
作用機序
抽出物は抗うつ・抗不安作用を持ち、セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンという3つの主要神経伝達物質の活性化を促すとされています。また、ストレスホルモンであるコルチゾールの低下効果も報告されています。
適応症・使用例
不安や神経過敏に加え、夜間遺尿や不眠の改善にも用いられます。抽出物は消化不快感の緩和や肺のうっ血に対する去痰作用があり、花のティーは貧血の改善に役立ちます。外用としては皮膚の傷や創傷の治癒を促進します。さらに、ハイペリカムはHIV治療薬(AZT)との相乗効果が示唆され、研究が進められています。
用量・服用方法
米国国立衛生研究所(NIH)は用量を調査中ですが、標準化された抽出物(ハイペリシン0.3%)は効果的とされています。抗うつ目的の場合、1日3回、食事と共に300 mgを摂取します。乾燥葉を1〜2小さじを8オンス(約240 ml)の沸騰した蒸留水に10〜15分浸し、1日3杯のティーとして飲む方法や、チンキを1〜4 mlを1日3回服用する方法もあります。使用前に医師に相談し、自己判断での服用は避けてください。
注意点
セントジョンズワートは一般的に安全とされていますが、MAO阻害薬との併用は禁忌です。また、臓器移植時に使用される薬剤との相互作用の可能性が指摘されています。妊娠・授乳中の使用は医師と相談してください。
