フィトステロールとは何か

ステロールとは

ステロールは動植物の全組織に存在する脂質化合物です。脊椎動物ではコレステロールが細胞膜の主成分であり、テストステロンやエストロゲン、コルチゾールなどのステロイドホルモンの骨格となります。植物ではフィトステロールが同様の役割を果たし、菌類ではエルゴステロールが細胞膜を構成します。

健康効果

2003年、米国食品医薬品局(FDA)は「1回の食事で0.4 g、1日2回の摂取で合計0.8 g以上の植物ステロールを含む食品は、飽和脂肪酸とコレステロールが少ない食事と組み合わせることで心疾患リスクを低減できる」という表示を承認しました。以降、多くの研究でフィトステロールの心血管保護効果が確認され、加工食品への添加や「心臓に優しい」ラベル表示が可能となっています。

作用機序

フィトステロールは腸管でのコレステロール吸収を阻害し、総コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールの血中濃度を低下させます。自身の吸収率はコレステロールより低く、主に胆汁中へ排泄されます。コレステロールの吸収が抑制されると体内での合成が促進されますが、結果としてLDLコレステロールは依然として減少します。

フィトステロールを含む食品

全ての植物性食品にフィトステロールは含まれますが、特に全粒穀物、豆類、ナッツ、種子に多く含まれます。これらを原料とした植物油は濃縮された供給源です。過去の世代では1日あたり約1000 mg摂取していたと推定されますが、現代の先進国では平均150〜450 mg程度と報告されています。ベジタリアンやヴィーガンは比較的高い摂取量です。

安全性

自然な形で含まれるフィトステロールは安全です。FDAは添加物としてのフィトステロールも安全と認めていますが、1日あたり3 g(3000 mg)を超える摂取は健康効果が見込めないため推奨していません。臨床試験は主に1〜3 gの範囲で実施されています。

議論と注意点

添加されたフィトステロールの安全性については未解決の課題が残ります。全粒穀物や豆類、野菜、植物油を増やす食事改善の方が、ビタミンやミネラルといった他の栄養素と共に自然な形でフィトステロールを摂取でき、総合的に健康的と考えられます。

ハーブ療法 - 関連記事