乳酸菌(ラクトバシラス)の多様な活用法
乳酸菌(ラクトバシラス)は、健康増進や治療に利用される有益な細菌です。ヨーグルトなどの発酵乳製品やサプリメントに含まれ、消化管・泌尿器・生殖器に常在し、栄養吸収や免疫機能をサポートします。
消化器系の問題
ロタウイルス性下痢にかかった子どもは、乳酸菌を大量に摂取することで症状の回復が早まります。旅行先で下痢を引き起こすウイルスや寄生虫に対しても、乳酸菌は体の防御を助けます。また、抗生物質使用時の下痢リスクを低減し、腸内の善玉菌を回復させます。過敏性腸症候群の痛みや膨満感の軽減、潰瘍・大腸炎・クローン病の治療にも利用されています。
皮膚のトラブル
乳酸菌は口内炎、口唇ヘルペス、ニキビ、アレルギー性皮膚炎などの皮膚トラブルに利用されますが、効果が一貫しているという十分なエビデンスはまだありません。一方、湿疹(アトピー性皮膚炎)に対しては、凍結乾燥乳酸菌(ラクトバシラス・ラムノサス、ラクトバシラス・レウテリ)を投与すると、1歳から13歳の子どもの症状が軽減するという研究結果があります。
風邪・呼吸器感染症
乳酸菌は風邪などの感染症の原因菌を抑制し、腸内の善玉菌を増やすことで免疫機能を高めます。特に保育園に通う子どもが乳酸菌入りミルクを飲むと、呼吸器感染症の発症率が低下することが報告されています。また、人工呼吸器使用者における重篤な呼吸器感染症の治療にも有望とされています。
女性と乳児への利用
女性は乳酸菌をビフィズス菌などの他の善玉菌と併用し、膣カンジダ症や尿路感染症の予防・治療に利用します。善玉菌が不足するとカンジダが増殖しやすくなるため、乳酸菌で腸内環境を整えることが重要です。乳児の疝痛(コリック)にも有効で、1日1回、1億CFUの乳酸菌滴下を行うと泣き叫ぶ回数が減少します。早産児に多い壊死性腸炎(NEC)の予防・治療にも乳酸菌が活用されています。
