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小児における高悪性度膠腫

脳は神経細胞とグリア細胞から構成され、グリア細胞には乏突起細胞や星状膠細胞などがあります。グリア細胞から発生する腫瘍を膠腫(glioma)と呼び、児童期の脳腫瘍の約2/3を占めます。本稿では、15歳未満の子どもに見られる高悪性度膠腫(Grade III・IV)について、種類、診断方法、グレーディング、治療、リスク因子を解説します。

種類

最も一般的な膠腫は星状膠細胞に由来する星状膠腫です。主な亜型は以下の通りです。

  • 毛様星状膠腫(最も良性)
  • 線維様星状膠腫
  • 未分化(異形成)星状膠腫
  • 多形性膠芽腫(glioblastoma multiforme、最も悪性)

診断

CTやMRIで腫瘍の位置や大きさを把握し、組織診断のために外科的切除や生検を行います。転移の有無を調べるために、聴力検査、腎・肝機能・ホルモン測定の血液検査、腰椎穿刺(脊髄液検査)などが実施されることがあります。

グレーディング

世界保健機関(WHO)が定めたグレーディングに基づき、星状膠腫はⅠ~IVの4段階に分類されます。Ⅰは最も予後が良く、IVは最も攻撃的です。「高悪性度膠腫」はWHO Grade III(未分化星状膠腫)およびGrade IV(多形性膠芽腫)を指します。

治療

高悪性度膠腫の治療は、まず可能な限り腫瘍を全摘出する手術が行われます。腫瘍が完全に除去された状態(gross total resection)を目指し、術後に放射線治療が併用されます。手術と放射線は疾患の進行抑制に有効ですが、根治は困難です。

化学療法の効果は議論が続いており、標準的な治療プロトコルは確立されていません。手術・放射線の効果が限定的であるため、臨床試験で新たな化学療法や分子標的薬が検討されています。

リスク因子

Li‑Fraumeni症候群やvon Hippel‑Lindau病などの遺伝性疾患は膠腫のリスクを高めますが、実際に診断される小児の多くはこれらの症候群を持ちません。また、既往の頭部放射線治療歴も後に脳腫瘍を発症するリスク因子とされています。母親の妊娠中の喫煙や飲酒がリスクに関与する可能性も研究が進められています。

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