原因

多動性が伴わない注意欠陥障害(ADHD)は、脳の機能に起因する神経発達障害です。妊娠中の喫煙や薬物使用、特定の化学物質への曝露が子どもの発症リスクを高めることが報告されていますが、妊娠中にすべての注意点を守っても発症するケースがあります。現在、遺伝的要因や家族性の関与についても研究が進められています。

主な症状

多動性が顕著でないタイプの ADHD では、以下のような症状が見られます。

  • 課題を最後までやり遂げるのが苦手
  • 指示や会話を聞いていないように見える
  • 注意を長時間保てないため、学習や読書を避けがち
  • 物を忘れやすく、持ち物を紛失しやすい
  • 整理整頓や時間管理が苦手

診断のポイント

血液検査や遺伝子検査で診断できるわけではありません。小児科医、心理士、または精神科医が、以下の基準を満たすかどうかで診断します。

  • 6 つ以上の注意欠陥症状が持続的に認められること
  • 症状が学業や日常生活に支障を来すこと
  • 他の医学的・精神的疾患によるものではないことを確認するための身体検査や必要に応じた追加検査

治療法

治療は薬物療法と行動療法を組み合わせることが一般的です。

  • 薬物療法:脳内の神経伝達物質バランスを整え、注意力を向上させます。
  • 行動療法:時間管理や課題の分割、自己制御のスキルを学び、学校や家庭での実践を支援します。

保護者の価値観や子どもの生活環境に合わせて、最適なプランを医師と相談しながら決定します。

学校での配慮( accommodations)

学習環境を整えることで、子どもの学業成績や自己肯定感を高められます。

  • テストや課題の実施時間を延長する
  • 静かな個室や低刺激の環境での作業を許可する
  • ノートは手書きではなく、パソコンやタブレットで取らせる
  • 教師との定期的な情報共有を行い、必要に応じて配慮内容を見直す

子どもの個別ニーズに合わせた柔軟な対応が、長期的な成功につながります。