腰痛の鑑別診断:原因と診断のポイント
腰痛は多くの原因が考えられ、ほとんどは深刻でない軟部組織の障害です。しかし、骨や脊髄周囲、腎臓領域などの重大な疾患が原因となることもあります。原因が特定できない場合、医師は鑑別診断を行います。
機械的要因
- 骨折(圧迫骨折や外傷性骨折)―外傷や脊椎の弱さが原因。
- 姿勢異常―側弯症、後弯症、すべり症など。
- 脊椎症(変性関節症)―関節の変性が痛みを引き起こす。
- 特発性要因―筋肉の捻挫や過伸展(筋肉の緊張・損傷)。
非機械的要因
- 悪性腫瘍―背部や内臓の任意の構造に発生するがん。
- 骨性パジェット病―骨が異常に分解・再構築される疾患。
- 感染症―背部の任意の構造や内臓に感染が及ぶ。
- 骨軟骨症―骨の成長が障害される疾患。
- 炎症性脊椎関節炎―脊椎に炎症を起こす疾患。
関連痛(放散痛)
- 骨盤領域の疾患―骨盤炎症性疾患、子宮内膜症、前立腺炎など。
- 消化器系疾患―膵炎、穿孔性潰瘍、胆嚢炎など。
- 大動脈瘤―大動脈の局所的膨張・弱化。
- 腎臓疾患―腎盂腎炎、腎結石、腎周囲膿瘍など。
鑑別診断が必要となる考慮要因
- 高齢者
- 治療に反応しない場合
- がん既往歴
- 安静後も疼痛が続く
- 原因不明の体重減少
- 疼痛が4週間以上続く
- 慢性感染症の既往
- 注射薬使用歴
診断の流れ
医師はまず、疼痛が神経根障害によるものか、背部以外の重大な疾患からの放散痛かを判断します。その後、以下のステップで診断を進めます。
- 全身的な身体診察と症状の聴取
- 個人・家族の病歴の確認
- 血液・尿検査の実施
- 必要に応じてX線やCT・MRIなどの画像検査
- 診断が不十分な場合は、筋電図や神経伝導検査などの電気診断法を使用
